J.フロント、チケミーに出資
2024-07-11 17:06:59

J.フロント リテイリング、NFTチケット売買プラットフォーム「チケミー」に出資 - エンタメ事業のデジタル化加速へ

J.フロント リテイリング、NFTチケット売買プラットフォーム「チケミー」に出資 - エンタメ事業のデジタル化加速へ



大丸松坂屋百貨店やパルコなどを傘下に持つJ.フロント リテイリングは、NFTチケット売買プラットフォームを提供する「チケミー」に出資することを発表しました。同社は、イグニション・ポイントベンチャーパートナーズ株式会社と共同で運営する「JFR MIRAI CREATORS Fund」を通じて出資を行い、チケミーとの業務提携契約も締結しました。

今回の出資は、J.フロント リテイリングが掲げる「国内外の“高質・高揚消費層”からの圧倒的な支持獲得」という目標達成に向けた取り組みの一環です。同社は、百貨店・パルコそれぞれの強みを融合させ、高質・高揚消費を志向する人々から選ばれるリテーラーグループを目指しています。

特に、創業以来エンタテインメント事業を展開してきたパルコは、拡大する推し活市場やゲーム事業への参入などを積極的に推進しており、エンタメ事業の領域拡大を目指しています。しかし、チケットの転売対策や既存チケットシステムの見直しなど課題も抱えています。

チケミーが運営する「TicketMe」は、音楽ライブ、演劇、スポーツ観戦などのチケットをNFT化して販売し、ユーザー間で自由に売買できるプラットフォームです。チケットの種類ごとに転売の可否や二次販売額の上限を設定できるため、悪質な転売を防止することが可能です。

J.フロント リテイリングは、チケミーとの協業を通じて、健全なエンタメ市場の形成に貢献するとともに、グループのエンタメ事業の収益力向上を目指します。また、高質・高揚消費を支える新たなサービスの開発にも力を入れていく方針です。

チケミーとJ.フロント リテイリング、協業による具体的な取り組み



両社は、今回の業務提携を通じて以下のような取り組みを検討しています。

公演チケットのTicketMeでの販売(コントロールされた二次流通を通じた自社興行収入の最大化)
NFTチケットならではの付加価値のある魅力的なNFTチケット商品の開発
海外からのチケット購入に対応する券売システムの開発
興行チケット以外の高質・高揚消費に対応するサービス開発

チケミー代表取締役 宮下大佑氏コメント



宮下氏は、チケミーが「世の中の隠れた価値を見つけ出し、あるべき場所にあるべき価値を届ける」というミッションのもと、チケットの適正な流通に取り組んでいることを強調しました。同社は、NFTチケットを用いた転売制御技術の基幹技術部分で特許を取得し、正当な理由によるリセールを許可しつつ、ダフ屋等の違法高額転売者を排除する仕組みを実現しています。

また、高額リセールの利益をクリエイターに還元する仕組みを通じて、クリエイターがその価値に見合った収益を得られるよう支援しています。今回の資本業務提携を通じて、チケミーは音楽、スポーツ、エンターテインメント業界の発展に貢献し、公正なチケット流通の実現に向けてさらに邁進していくとしています。

チケミーの「TicketMe」について



「TicketMe」は、従来のチケットサービスに近い形態を取りながらも、web3におけるNFTの要素を取り入れ、不正転売への抑止策を講じています。同社は、チケットの転売制御技術で特許を取得しており、正規の理由(急用、病気等)によって行けなくなったイベントのチケットのリセールは許可しつつ、ダフ屋や違法高額転売者による買い占めのみを排除するなど、柔軟性の高いチケット市場の設計を可能にしています。

チケット制御を確立することで、不正転売の抑止を図るだけでなく、正規の理由の延長で需給によって定価よりチケット価値が高まった時、その差分利益を二次販売者ではなく、クリエイター自身が受け取れる仕組みも構築しています。これにより、購入者側が感じる適正な価値に沿った売買が行われ、クリエイターが提供する本来の価値に見合った収益を手にすることができるようになりました。

JFR MIRAI CREATORS Fundについて



「JFR MIRAI CREATORS Fund」は、J.フロント リテイリングがイグニション・ポイントベンチャーパートナーズ株式会社と共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタルファンドです。2022年9月に設立され、運用期間は10年、運営規模は30億円です。

同ファンドは、J.フロント リテイリンググループの事業シナジー創出や新規事業開発を目的とし、成長性が高く、社会課題解決に貢献するスタートアップ企業への投資を行っています。


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