都内で食品ロス削減を目指す『かんしょくプロジェクト』
2025年春、東京都の都営住宅の集会所にて、日本初の試みとなる「かんしょくプロジェクト」が始動しました。このプロジェクトは、調理済みの食事を必要な人々に再分配し、食品ロスを削減することを目的としています。運営を担う一般社団法人最愛の食卓(代表:柏倉美保子)と、東京都が手を組み、「東京みんなでサロン」という新たな居場所づくりの一環として実施されることとなりました。
参加企業と運搬の流れ
参加企業は、日々の業務から出てしまう「まだ食べられるが余っている食事」を寄付することができます。たとえば、社員食堂やホテルのビュッフェなどで生じる食品は、個人が捨てるしかない現実がありますが、このプロジェクトではそれを有効活用。食事は安全に企業の調理場から収集され、独自のシステムで提供拠点に運搬されます。
運搬時にはボランティアスタッフが温度管理を徹底し、食事の品質を保持します。集まった食事は、必要とする地域住民に配布される流れが組まれています。既に、活動開始から約200kgの食品ロスが削減されたという試算も出ています。
住民との交流とコメント
利用者からは、「おかずの味が心配だったが、毎回おいしく食べられ元気が出る」との声や、食事を通じて住民同士の交流が深まることを楽しみにしているといった意見が寄せられています。「何が食べられるかわからないから来るのが楽しみ」という意見も多く、この取り組みが人々の生活にどれほど影響を与えているかが伺えます。
今後の展開と協力者募集
今後、東京都内にあるお寺や教会、さらには他のNPOとも連携し、活動を拡大していく計画です。また、食事を提供する企業の協力も募っており、それに伴って新たな提供拠点も増えていく見込みです。
食事を受け取りたい団体の参加勧誘も行っており、NGOやNPOと協力しながら、必要とされている多くの方々に美味しい食事を提供する機会を創出することを目指しています。さらに、ボランティアスタッフとしての参加も歓迎しており、輸送や配膳を手伝ってもらえる方々の力も必要です。
応援者の声
このプロジェクトについて支援の声も寄せられています。「飽食の時代にあっても、食べ物が捨てられる現実を目の当たりにし、支え合う社会への移行が必要です」と語るのは株式会社arcaの代表、辻愛沙子氏です。彼女は「かんしょくプロジェクト」を通じて、社会にポジティブな変化をもたらす可能性を感じています。
かんしょくプロジェクトの背景
このプロジェクトは、気候変動対策として環境保全型農業を実践しているAGBIOTECH株式会社と共同で立ち上げられました。企業理念は「地球と人々の幸せを創造する」を掲げ、従来のフードビジネスの枠を超えた社会貢献を果たそうとしています。
私たちの生活を支え、食品ロスを削減する「かんしょくプロジェクト」の今後の活動に目が離せません。この取り組みを応援したい方は、ぜひプロジェクトサイトを訪れてみてください。