トンネル工事現場でのメッシュ型通信技術実証実験の成功
トンネル工事現場での新たな通信技術
最近、株式会社大林組との協力によって、トンネル工事における遠隔臨場の実証実験が実施されました。この実験は、国土交通省が推進する遠隔臨場の取り組みに基づいて行われ、工事現場の効率化や安全性向上が期待されています。
遠隔臨場とは何か
遠隔臨場とは、工事現場で撮影された映像や音声を基に、遠隔地から確認作業を行う技術です。カメラやウェアラブルデバイスを用いて、現場の状況をリアルタイムで把握することが可能になります。この技術によって、工事の進捗や材料確認がスムーズに行えるようになります。
ただし、一般的な建設現場ではLTEや5Gなどの通信インフラが利用できますが、トンネル工事のような特殊な環境下では、これらの通信技術が適用できない場合があります。
トンネル工事特有の通信課題
トンネル内では、無線ネットワークを構築するためには、掘削工事の進捗に応じてアクセスポイントを設置する必要があります。そのためには、新たにネットワークケーブルを敷設する工事が頻繁に必要となります。また、工事現場は過酷な環境であり、ケーブル損傷のリスクも考慮しなければなりません。
このような課題を解決するために、メッシュ型通信が注目されています。メッシュ型通信は、ルータ同士が無線で接続し合い、ネットワークを構築する方法です。この方式を採用することで、配線工事の手間を省き、トンネル工事の進捗に応じて柔軟にアクセスポイントを追加することができます。
株式会社カンストのBC-Link
株式会社カンストが開発したマルチホップ無線ルータBC-Linkは、このメッシュ型通信の課題を克服する製品です。従来の無線ルータとは異なり、10台以上の中継が可能となり、高速で安定した通信環境を提供します。しかし、トンネル工事という特殊な環境で、本製品の機能を実証する機会がありませんでした。
実証実験の成果
このたびの実証実験では、BC-Linkがトンネル工事現場での通信において、求められる安定性を達成できることが確認されました。大林組の協力による現場での試験により、BC-Linkが構築するメッシュ通信ネットワークが実際の工事においても信頼性が高いことが立証されたのです。
この成果により、今後のトンネル工事の現場での利用が期待されています。遠隔臨場技術が普及することで、工事の効率が向上し、安全性も確保できることが期待されています。
会社情報
- 会社名
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株式会社カンスト
- 住所
- 神奈川県横浜市西区みなとみらい3−7−1−8F
- 電話番号
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045-900-3684