建設業界の担い手確保に向けた新たな取り組み
2024年度から新たに「次世代の担い手確保活動奨励制度」がスタートします。この制度は、鹿島(社長:天野裕正)が取り組むもので、同社の施工パートナーである協力会社の取り組みを支援することを目的としています。特に、建設業界における担い手不足の問題に対して、学生や求職者を対象にした技能体験会や出前授業などを通じて、若手人材の確保と育成を進めるものです。
1. 制度創設の背景
建設業界は高齢化が進んでおり、65歳以上の技能者が約50万人も存在するという現実があります。今後、高齢技能者が大量に離職することが懸念されており、それを補う若手入職者が不足しています。このため、「次世代の担い手確保」が急務とされています。
鹿島は、すでに2021年度に前身となる制度を創設しています。この制度では、現場の生産性向上や技術開発を重点的に支援してきましたが、次代の担い手を育成するためには、更なる施策が必要であるとの認識から新制度が立ち上げられました。
2. 新制度の概要と目的
「次世代の担い手確保活動奨励制度」は、協力会社が行う「技術者・技能者の確保と育成」にかかる必要経費の一部をサポートするものです。対象となる活動は以下の通りです:
- - 学生や求職者向けの技能体験会
- - 出前授業
- - 複数社合同での入職式による人材確保活動
- - 技能者育成のためのプログラムなど
この制度は時限的なもので、3年間の期間で運用される予定です。
3. 現在の状況と今後の取り組み
第1回の募集は2024年4月から6月に実施され、7支店から10事例の取り組みが選定されました。この取り組みが成功することで、他の協力会社への普及や発展が期待されています。助成を受けた団体からは定期的に活動状況の報告が行われ、良好な事例は盛り込まれた形で広く紹介されていく予定です。また、第2回目の募集は2025年2月から行う予定です。
4. 地域に根ざした人材育成の重要性
研修や体験会の実施を通じて、鹿島は地域における人材育成と次世代の担い手確保の重要性を強調しています。建設業界の持続可能な発展のためにも、若い世代がこの業界に興味を持ち、志してくれることが必要です。
5. 結果に向けた期待
次世代の担い手確保活動奨励制度は、鹿島が協力会社との連携を強化する機会ともなり、業界全体の技術者不足を解消する鍵になると期待されています。今後の取り組みが、建設業界の未来を豊かにすることを願っています。さらに支援が拡大し、参加者が増えることで、業界に新たな風が吹き込まれることでしょう。