胡蝶蘭がつなぐ新たな福祉モデル
千葉県いすみ市に位置するNPO法人AlonAlonは、障害者と共に胡蝶蘭の生産を行う農福連携の新たなビジネスモデルを展開しています。そして、この度、花と緑のプロフェッショナルとしての歴史を持つ第一園芸株式会社との取引が始まります。この協業は、障害者が持つ特性を活かし、双方の持つ専門知識と技術で新たな価値を生み出すことを目的としています。
AlonAlonの胡蝶蘭生産は、開園から7年の歴史を持ちますが、スタート時には「障害者の作った胡蝶蘭は扱いが難しい」との理由で多くの生花店から取引を断られる場面が多くありました。そこで、AlonAlonは自らが生産者であることを伏せて卸すことも試みました。しかし、障害者の特性を生かした生産方法が次第に評価され、特に自閉症特有のこだわりの強さが高品質な胡蝶蘭鉢を生み出す要素となり、知的障害者が持つ作業の継続力が生産性向上に寄与することが明確になりました。現在、SDGsの理念が広がる中で、障害者による生産物を受け入れる社会環境も整い始めています。
第一園芸の歴史と信頼
第一園芸株式会社は、1898年に設立された三井農園を前身としており、127年の歴史を誇る日本の園芸文化のパイオニアです。西洋式花きの育種や販売において、時代を先取りしたアプローチで多くの実績を上げてきました。このたびの提携は、第一園芸がAlonAlonの胡蝶蘭生産への信頼を寄せ、企業としての新たな取り組みを進める一環として実現しました。
未来の展望
第一園芸の山村社長による農園視察を経て、今回の取引が正式に始まります。これは花卉業界の一流企業と福祉のプレーヤーとの新たな連携モデルとなることでしょう。このような意味のある連携が進むことで、AlonAlonは胡蝶蘭市場に新たな選択肢を提供し、同時に障害者の社会的自立も促進します。
AlonAlonは、知的・精神障害を持つ人々に安定した職場を提供し、生きがいを感じつつ成長できる環境を目指しています。最終的には障害者が親亡き後も自立できる力を育むことを目指し、今後もさまざまな施策を展開していく予定です。
連絡先と詳細
今後のAlonAlonと第一園芸の活動から目が離せません。農福連携の新たな可能性を秘めたこの取り組みに注目が集まります。