高度な技術による大型ドローンの飛行試験成功
2025年3月6日、金沢工業大学の航空システム工学科で、大型ドローン0号機が試験飛行を行い、見事に成功を収めました。この試験では、50kgを超える重りを搭載した状態での飛行が確認され、物資輸送用ドローンの開発に新たな一歩を踏み出しました。
ドローン開発の背景
このプロジェクトは、赤坂剛史准教授が率いる研究室が手がけており、山間地や被災地向けの物資輸送を目的としたものです。特に、令和6年の能登半島地震では、港の隆起により輸送船が接岸できないという課題が浮かび上がりました。これに対し、ドローンはその機動力を活かし、迅速な救援物資の輸送が期待されています。
飛行試験の詳細
実施された飛行試験では、大型ドローンの機体重量が約90kgでありながら、50kg超の積載量を誇ることが確認されました。08機のプロペラを装備し、バッテリーは8個搭載されています。試験では、機体が空中でしっかりとホバリングし、特に大きな振動も見受けられなかったことから、今後の実用性にも大きな期待が寄せられています。
開発の狙い
発表によると、今回の飛行試験は「最大積載量50kg・飛行距離50km超のVTOL型有翼電動ドローン」の開発の一環として行われ、これにより新たなビジネスチャンスが期待されています。赤坂准教授は、累積飛行距離50kmの設定があれば、より効率的な物資の輸送が可能になるとしています。
性能と未来の展望
試作機のサイズは横幅2.5m、奥行き1.5mで、振動が少ないことが確認できたため、この特性を活かし、今後は固定翼を装着した試作機の開発も進めていくとのことです。固定翼付きの機体については現在特許出願中であり、さらなる機体改良が予定されています。新たなデータの取得も進められるため、実用化に向けた期待感は高まる一方です。
プロジェクトメンバー
この大型ドローン開発は、大学院の研究生を中心に、以下のメンバーで進められています。
- - 大賀 竜平(機械工学専攻 博士前期課程2年)
- - 森田 航(機械工学専攻 博士前期課程1年)
- - 猪股 岳広(航空システム工学科4年)
- - 小林 嵩明(航空システム工学科1年)
- - 赤坂 剛史(准教授)
今後も、この技術の進展と実用化に向けた動きに注目が集まります。