新NISA利用実態データから見る投資者の意識と運用状況
2025年に向けて、新NISAの利用状況に関する調査が株式会社oricon MEにより実施されました。この調査では、ネット証券の実際の利用者4,978人を対象に彼らの運用実態が明らかにされました。2024年1月22日に発表されたこの調査は、投資者の実態や満足度、運用の継続意向がどのようになっているのかを探る重要なデータとなりました。
新NISAの運用状況
調査結果によると、成長投資枠の運用率は約65.9%、つみたて投資枠は約45.4%と報告されています。このデータは、各年代での運用状況も示しており、特に30代での運用比率が高かったことがわかりました。
40代以下では6割以上が運用しているのに対し、50代以降になると運用割合が50%を切る傾向が見られました。新NISAの利用促進には、これらの年代別動向をどう活かすかが課題となるかもしれません。
投資額の利用状況
新NISAを利用する際の年間投資上限額についても明らかにされました。成長投資枠を利用している中で、最も多かったのは220万以上240万未満というカテゴリで21.2%が該当しました。つみたて投資枠では、月平均投資額が9万以上10万未満の利用者が24.4%を占めています。
特に両投資枠での利用者は、その年間投資上限額内で運用する傾向が強いことが確認されました。このことは、投資者がNISAの制度を活用しようとする意欲の表れとも言えるでしょう。
NISA口座を開設しない理由
一方で、NISA口座を開設していないユーザーについても調査が行われ、41.4%が「特に理由はない」と回答しました。そのほかには「制度についてよくわからない」が19.0%との結果が出ており、これは情報不足が原因であることが示唆されています。
このような理解の不足を解消するために、さらに多様な情報提供が求められるでしょう。
現状の増減益
運用を開始した投資の現状についても注目が集まります。成長投資枠においては、47.1%の利用者が増益を実感している一方で、つみたて投資枠の利用者は50%が同様に増益と回答。このデータは、投資の結果が実際に好影響をもたらしていることを示しています。
2025年以降の継続意向
最後に、2025年以降の新NISA運用についても非常に高い継続意向が見られました。成長投資枠では88.5%、つみたて投資枠では88.2%が今後も運用を続けたいと考えています。この背景には、「利益が出たから資産を増やしたい」といったポジティブな声が多数寄せられました。
結論
新NISAを通じて、投資者層のニーズや今後の展望が見えてきた今回の調査結果。情報提供や利用促進に向けた施策が求められる中、2025年の新NISA活用の可能性が広がっていることを感じさせるデータとなりました。今後もこの制度がどのように発展していくのかに,注目が集まります。