大型ドローンの実験
2024-12-13 17:52:22

金沢工業大学が大型ドローンの飛行実験を成功させた理由

大型ドローンの飛行実験、驚異の成功を収める



12月10日、金沢工業大学の赤坂剛史研究室が開発した大型ドローンの初飛行試験が、手取川河川敷の白山ラジコンクラブにて行われました。このドローンは最大積載量50kg、飛行距離50km超を目指し、被災地での救援物資輸送に役立つことを目的に設計されています。

この試作ドローンは約90kgの自重を持ち、実験に際しては40kgのおもりを搭載しての飛行が行われました。驚くべきことに、試験ではしっかりと浮上することに成功しました。国内には似たような技術を持つドローンがまだない中、VTOL型の有翼電動ドローンという新たな挑戦が具体化されたことに、大きな期待が寄せられています。

開発の背景



今回の大型ドローン開発は、令和6年の能登半島地震という実際の事例から生まれたものです。この震災では、被災地の港が隆起し、輸送船が接岸できないという予想外の事態が発生しました。この経験から、陸上における物資輸送の限界が浮き彫りになり、ドローンを使った新たな輸送手段の必要性が強く感じられました。

当初、赤坂准教授は七尾湾から珠洲市を飛ぶドローンの開発を目指しましたが、片道60kmの目標は現技術では難しいと判断し、50kmの飛行距離を目標に設定しました。この範囲であれば、沿岸の船舶から物資を運ぶことが可能になり、一回の充電で多くの往復ができるとされます。

特徴的なデザインと技術的な検討



飛行試験に使用された試作機は、横幅2.5m、奥行き1.5mという大きさで、8つのプロペラを搭載しています。この設計により、最大積載量50kgを実現するための技術的な検討がされました。配送には振動の問題も伴いますが、試験では無積載時のホバリング時にも大きな振動がないことが確認されました。

これにより、おもり20kgと40kgを使用した浮上実験でも成功を収めました。残念ながら、40kgの積載実験後に悪天候が迫り、これ以上の実験は適わなかったものの、初飛行としては非常に成功したと言えるでしょう。

今後の計画



赤坂研究室では、この飛行試験から得られたデータを基に、さらに進化した試作機の開発を進めていく予定です。新型機は固定翼を備え、2025年3月初め頃に再度飛行試験が予定されています。今後の進展が非常に楽しみです。

もちろん、このプロジェクトには赤坂准教授をはじめ、大学院生や学部生がチームを組んで取り組んでいます。彼らの努力と熱意によって、未来の便利な輸送手段が確立されることを期待しています。

この飛行試験の様子はYouTubeでも公開されており、興味のある方はぜひチェックしてみてください。また、最新情報は赤坂研究室の公式サイトで随時お知らせされる予定です。新技術革新に向けての動きに、ぜひ注目していきましょう。


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