ロッテHDがヘルスケア分野に新たな一歩を踏み出す
株式会社ロッテホールディングス(東京都新宿区)は、医療機器の開発において新たな展開を見せています。同社のヘルスケア・バイオ医薬領域のコーポレートベンチャーキャピタル(HB-CVC)が、北里大学発のスタートアップ企業「フィジオロガス・テクノロジーズ」に出資したことを発表しました。フィジオロガスは、2020年に設立された次世代血液透析装置の開発を専業とする企業で、これにより患者にとってより安全で使いやすい医療機器の実現を目指しています。
フィジオロガスの技術的な優位性
フィジオロガスが開発する透析装置は、高性能のカリウム・尿毒素吸着フィルターを搭載しており、インラインでのモニタリングや制御機能、さらには患者のデータ解析機能も備えています。特に、在宅用透析の分野に焦点を当てており、従来の血液透析治療が抱える水インフラの課題を解消することが出来ると期待されています。これにより、数百リットルの大量の給水や廃液処理が不要となり、患者に優しい医療機器になる見込みです。慢性腎臓病患者の生活の質を向上させることが大きな目的となっています。
投資の目的と期待
ロッテホールディングスの出資は、従来の医療機器分野への初の試みであり、ヘルスケア分野における最先端の技術開発に積極的に関与する姿勢を示しています。今回の出資ラウンドにおいて、ロッテはリードインベスターとしてフィジオロガスのプロトタイプ最終化や前臨床試験を支援し、日本の医薬品・医療機器総合機構や米国食品医薬品局との規制に関する協議もサポートしていく方針です。
ロッテHDは、世界中で800万人以上とされる慢性腎臓病の患者のため、革新的な医療機器の開発を促進することで、医療費削減にもつながると考えています。透析や移植といった治療が受けられない患者にとっては、重大な健康リスクともなり得るため、このプロジェクトは重要な意義を持つのです。
社会への貢献
フィジオロガスへの出資は、ロッテホールディングスが世界的な健康課題解決に向けた事業拡大の一環と位置づけられています。慢性腎臓病患者に対して、より安全で快適な治療方法を提供することで、医療の質を向上させ、ひいては社会全体にポジティブな影響を与えることを期待しています。
「フィジオロガスは、画期的な技術を持っており、在宅血液透析という新たな選択肢を提供できると確信しています。私たちは、この分野の先駆者として成長できるよう全力でサポートしていく所存です。」とHB-CVCのマネージングパートナーであるDr. Joon Paek氏もコメントしています。
ロッテHDのビジョン
ロッテホールディングスは今後も、高度な医療ソリューションを通じてグローバルに多くの人々のウェルビーイングを向上させ、健康で持続可能な社会の実現に貢献していく考えです。医療機器分野への投資を通じて、先進的な技術開発を推進し、将来的にはさらなる改善と革新を目指していくことでしょう。