三菱造船株式会社は、米国スタートアップ企業のアモジー社と共同で、アンモニア分解技術を活用した水素製造設備と船舶用アンモニアハンドリングシステムを組み合わせた、カーボンフリーな船舶用発電設備の実現可能性調査を完了しました。
この調査では、アモジー社のアンモニア分解技術で生成された水素を船舶の動力源として利用する2つのソリューションコンセプトが検証されました。1つは、アンモニア分解水素を水素燃料電池へ供給するシステム、もう1つは、アンモニア燃料主機関のパイロット燃料としてアンモニア分解水素を利用するシステムです。
三菱造船は、独自のアンモニアハンドリングシステム「MAmmoSS®」とアモジー社のアンモニア分解技術を組み合わせることで、船上での水素製造と利用を可能にする技術開発を進めています。この技術は、IMO(国際海事機関)が掲げる海運のGHG(温室効果ガス)排出量を2050年頃までにネット排出ゼロとする目標達成に大きく貢献する可能性を秘めています。
アンモニアは、燃焼時にCO2を排出しないクリーンエネルギーとして注目されています。さらに、水素を効率的に貯蔵・輸送できる水素キャリアとしての活用も期待されています。三菱造船は、今回の調査結果を踏まえ、アンモニア燃料供給装置の協業可能性について検討を開始するMOU(覚書)をアモジー社と締結しました。
今後も、三菱造船はアンモニア燃料船や関連設備の開発を進め、海事産業の脱炭素化を牽引していきます。同時に、世界規模での環境負荷低減に貢献することで、持続可能な社会の実現を目指します。