京都府福知山市での画期的な浸水検知システム
最近、日本各地で頻発している水害に対処するため、亀岡電子が新たな製品を開発しました。それは、浸水を早期に検知し、LINEを介してリアルタイムに通知する「セルラー通信式浸水検知センサ(KAMEKER2)」です。このセンサーは、特に内水氾濫が起こりやすい低い土地や住宅近くの水路に設置され、住民にとって身近な浸水情報を提供するために設計されています。
浸水検知センサーの重要性
平成30年の西日本豪雨や令和元年の台風19号などの水害被害が記憶に新しい中、全国の自治体では水位計や防災カメラの設置が進められています。しかし、これらの設備は設置費用が高額なため、多くの地域には行き届いていないのが実情です。過去の調査によれば、遠くの河川の水位や、防災カメラ映像を見ても、実際の準備や避難に繋がる人は少なく、より身近な情報が求められています。
亀岡電子は、このニーズに応える形でKAMEKER2を開発しました。このセンサーは、設置が容易でかつコストパフォーマンスに優れています。特徴的な点は、乾電池で駆動し、セルラー通信を利用しているため、電源引き込みや配線工事が不要ということ。これにより、設置が非常に簡単になっています。
KAMEKER2の機能と操作性
このセンサーは、浸水を検知すると即座にLINEで通知します。ユーザーは、事前に登録したセンサーからの情報を受け取ることができるため、わざわざ情報を見に行く手間が省けます。さらに、LINEメッセージ内には「浸水アラートマップ」へのリンクが含まれており、浸水が発生している地点を地図上で視覚的に確認することができます。このマップはいかに迅速に避難行動を促すかに重要な役割を果たしています。
実証実験の進捗
KAMEKER2は、2019年から2020年にかけて、福知山市内の複数地点で実証実験を行っています。センサーの信頼性を確認し、実際の使用環境での効果を検証した結果、正式な発売に向けての準備が進められています。2021年度には、モニター利用者の募集や、自治体や企業への導入が期待されています。
未来の展望
この新しい浸水検知システムは、従来の高価な防災機器とは異なり、補完的に機能することを目指しています。身近な場所にセンサーを設置することで、より早く浸水を察知し、被害を抑えることが期待されます。亀岡電子は「水を知る水を知らせるセンサ技術で安心安全な社会づくりに貢献する」という理念を掲げ、さらなる技術革新を進めています。
亀岡電子の信念
1980年に設立された亀岡電子は、過去40年にわたりFAセンサーの製造に携わってきましたが、工場外での安全社会づくりにも貢献したいとの思いから、浸水被害を軽減するセンサーの開発に注力しています。今後も、オリジナルブランド「KAMEKER」の製品を通じて、地域社会の防災に寄与する姿勢を貫いていくでしょう。
お問い合わせ
本製品に関する詳細は、亀岡電子の営業部営業企画チームまでお問い合わせください。最も身近な防災対策として、多くの方に利用されることを期待しています。