久米設計が9件のグッドデザイン賞受賞を達成した背景
2025年度のグッドデザイン賞において、株式会社久米設計が手掛けた「ポーラ青山ビルディング」や「キャプション by Hyatt なんば 大阪」など、合計9件の建物が栄えある受賞を果たしました。これらの作品は、それぞれの地域に根ざした独自のデザイン理念を体現しており、建築の未来を示唆するものとなっています。
グッドデザイン賞とは
グッドデザイン賞は1957年に創設された制度で、暮らしの質を向上させるための優れたデザインを評価・促進する活動です。多くの企業や団体が参加し、毎年行われるこの賞には、優れたデザインの象徴である「Gマーク」が授与されます。今年の受賞作品もその例に漏れず、各々が社会的な課題に取り組む姿勢が高く評価されています。
受賞した主なプロジェクトとその評価
以下に、久米設計が手掛けた受賞作品とその特筆すべきポイントを紹介します。
ポーラ青山ビルディング
このビルは、賃貸オフィスとしての機能だけでなく、近隣住民向けの保育所の併設やアートの取り入れを通じて地域に貢献しています。特に、歴史的な文化財の移設・公開を行うことで、過去と未来をつなぐ画期的な試みが評価されました。
キャプション by Hyatt なんば 大阪
このホテルは、ユニークなデザインによって旅行者に新たな体験を提供しています。多様な文化を受け入れ、ゲストに楽しさを与えるスタイルが注目されました。
コネクトスクエア博多
博多の中心に位置するオフィスビルは、開放的なデザインによって都市の回遊性を高めています。特長的なファサードが時間の経過に応じた影を生じ、独特の美しい表情を生み出します。
田中貴金属ビルディング
「街」「人」「未来」をテーマにするこの建物は、地域との交流を重視した設計が施されています。特に、中央吹抜けの「クルーシブルスペース」が、利用者間の交流を促進する空間として評価されました。
松本市立博物館
松本城近くにあるこの博物館は、市民活動の場を創造する空間設計が評価され、地域の文化的アイデンティティを強化する役割を果たしています。
旭川市総合庁舎
この庁舎は、将来的な変化を見越した空間計画が印象的で、市民と行政の協働を促進する取り組みが高く評価されました。
川崎市役所本庁舎
長い歴史を持つ旧庁舎を復元した新しいデザインは、地域の記憶と未来を表現する形で、新しい価値を創出しています。
小牧市立小牧南小学校
子どもたちの交流を促進するための開放的な空間デザインが評価され、教育機関としての新しい可能性を示しました。
Toyota Technical Center Shimoyama
トヨタの高級ブランドにふさわしい洗練されたデザインが特徴で、地元の資源を活用したことにより地域への貢献も実現しています。
まとめ
株式会社久米設計の受賞は、地域と調和しながらも先進的なデザインを追求した結果であり、多様な文化や歴史、地域の特性を活かした建築の在り方を示しています。今後もこのような取り組みが全国で広がり、さらに多くの箇所でユニークなデザインが生まれることを期待したいです。これらのプロジェクトが示すように、優れたデザインはただの装飾ではなく、社会を良くする力を持っているのです。