新プロジェクト「Regenerative Earth Sensing事業」の始動
2025年12月21日、島根県海士町のAMAホールディングス株式会社が、岩手県九戸郡洋野町に本社を置く株式会社北三陸ファクトリーと新たに包括連携協定を締結しました。この協定の主な目的は、科学的データをもとにした海洋環境の再生と持続可能なブルーエコノミーの実現を追求することです。この取り組みは、両社が目指す「シン・ブルーオーシャン戦略」に基づいており、地域の未来を見据えた共実証の推進が期待されています。
協定締結の背景
AMAホールディングスは、官民を問わず地域資源を保護し、海の未来を切り開く挑戦を掲げています。今回は、北三陸ファクトリーが持つ最新技術を駆使して、森や里、海の自然循環を理解する「Regenerative Earth Sensing事業」の推進を図っていきます。この取り組みは、環境保全を単なる義務とはせず、経済成長の原動力とする「再生型ブルーエコノミー」の確立を目指すものです。
本協定により、両社は「海洋環境の再生」と「持続可能な経済成長」の両立を目指すため、さまざまなステークホルダーを巻き込みながら、海士町をフィールドにした共同実証を行う計画です。
協定の目的と連携内容
この協定にはいくつかの重要な目的が含まれており、具体的な連携内容は以下の3つの主要なポイントに集約されています。
1. 海洋再生事業とデータ基盤の構築
北三陸ファクトリーの先進的な技術を用いて、藻場の再生や高付加価値の養殖プロジェクトを実施します。また、海洋環境データの収集に協力し、これらのデータを「森里海データダッシュボード」へ統合し、地域活用を進める方針です。
2. 地域資源の循環と産業化
磯焼け対策として生産された水産物のブランド化を行い、さらに国際展開を視野に入れています。ブルーカーボンや生物多様性に関するデータを測定し、クレジット化するプロセスも検討します。
3. 教育・人材育成
両社の現場での研修プログラムを共同開発し、データと実体験を通じて新しい「海洋リテラシー」を育成することを目指しています。
4. 政策提言とモデル発信
本事業の成果を「日本初の海洋実証モデル」として広め、政策提言を行います。
シン・ブルーオーシャン戦略での取り組み
「シン・ブルーオーシャン戦略」は、地球規模の海洋課題に対し、官民が協力して解決策を見出すための先駆的なプロジェクトです。2024年6月8日には、人工礁を利用した藻場回復の試みが始まっています。このプロジェクトでは、未踏の海の領域で環境の再生と経済成長の両立を目指しています。
企業のビジョン
北三陸ファクトリーの代表は、「海士町の持つ資源と海の未来に期待を寄せており、多様な知見を集めて新しいブルーエコノミーのモデルを創造する」と語っています。これに対し、AMAホールディングスの社長も、海士町の厳しい環境を逆手に取り、新たな挑戦を続ける重要性を強調しています。
両社が力を合わせることで、これまでにないアプローチで海洋の未来を模索し、持続可能な成長を目指す姿勢は、今後の事業展開においても大いに注目されています。
まとめ
AMAホールディングスと北三陸ファクトリーの連携により、海洋環境改善への新たなアプローチが実現し、地域の持続可能な成長に貢献することが期待されます。これからも、地域資源を活かした新しい取り組みに注目です。