軽度認知障害を簡単にスクリーニングできる「きらきら星脳活計」

軽度認知障害をスクリーニングする「きらきら星脳活計」

脳の健康が特に重要である今、軽度認知障害（MCI）や認知症の早期発見が求められています。そこで注目されているのが、「きらきら星脳活計」です。この装置は、脳がどの程度健康であるかを15秒という短時間でスクリーニングすることができます。測定はとてもシンプルで、センサーの上に手をかざし、指示に従って手の動きを行うだけ。この非侵襲的な方法は、だれでも気軽に試すことが可能です。

きらきら星脳活計の原理と機能

「きらきら星脳活計」は、宇都宮大学工学研究科の青木恭太元准教授との共同開発により生まれました。この装置の特徴は、手の動きを詳細に分析し、脳の運動調節機能を評価する点です。特に、軽度認知障害の兆候を捉える能力に優れており、測定結果は一定の基準に基づいて評価されます。結果はすぐに画面や印刷されたレシートで確認でき、健常者とMCI、認知症の区分が明確に示されます。

目に見える結果の重要性

このように、短時間で得られるスクリーニング結果は、患者や家族にとって非常に力強い指標です。評価がAの場合は健康な生活を続けるよう促され、Bの場合は健康管理に関するアドバイスがなされ、Cの場合は医療機関への相談が推奨されます。この即時性には、大きな安心感が伴い、特に気になる症状がある方にとっては、早い段階での行動を促すきっかけとなることでしょう。

課題の解決と今後の展望

認知症患者は増加の一途をたどり、特にアルツハイマー型認知症の新薬も登場しました。しかし、MCIの診断を正確に行うには専門医の診察や検査が必要で、手間や費用がかかります。「きらきら星脳活計」の導入により、こうした課題が解決され、より多くの人々が気軽にMCIの確認ができる時代が訪れることが期待されています。さらに、早期のMCI発見が進むことで、新薬の効果を最大限に引き出す可能性も広がるでしょう。

今後は、この装置を病院の受付や薬局、自治体などで広く展開し、スクリーニングの活用を促進することが目指されています。また、継続的な研究開発を進めていく計画で、さらなる機能向上も期待されています。共同研究やパートナーシップの募集も行っており、より多くの視点や知見からの発展が望まれています。