イマーシブメディアの急成長とその実態
2024年、株式会社電通が全国の10~59歳を対象に行った「イマーシブメディアに関する調査」の結果が発表されました。この調査から、特に10代におけるイマーシブメディアの利用状況が顕著であり、他の世代と比べて圧倒的な差が見られました。
調査背景
本調査は、「メタバースに関する意識調査」に続くもので、イマーシブメディアという概念を用いて、国内でのデジタル体験の認知度や利用傾向を明らかにすることを目指しました。調査においては、3DCG技術を駆使したゲームやメタバース、さらには拡張型広告をイマーシブメディアと定義し、幅広いメディアサービスが対象となりました。
調査結果の概要
1.
イマーシブメディアの認知度
調査対象者の55.5%が何らかのイマーシブメディアサービスを知っていると回答。この中で特に10代の認知度は約90%に達しました。
2.
利用経験の差
利用経験者は全体で20.8%、その中でも10代は驚異の65.3%という結果に。一方、他の世代ではこの割合が12.6%に留まっています。このことから、イマーシブメディアが特に若者に支持されていることが伺えます。
3.
平均利用時間
イマーシブメディアの平均利用時間は59.8分であり、SNSの46.6分を上回る結果となりました。これは、デジタル体験への深い関与を示唆しています。
4.
利用スタイル
利用者は、友人や知人と一緒に楽しむことが主な楽しみ方で、「ゲームを楽しむ」「チャットしながら楽しむ」「同じ場所で集まって楽しむ」といった参加型の活動が上位を占めています。
5.
3Dコンテンツの制作
イマーシブメディアユーザーの約半数が3Dコンテンツを制作した経験があると回答。特に制作を頻繁に行うのは20代が中心であることが分かりました。
未来展望
今後、イマーシブメディアはより多くのユーザーに浸透していく可能性が高いと予測されます。特に10代が将来、技術を持ったユーザーとして自立していく中で、これまでのメタバースの概念を超えた新たな交流の場を創出していくことが期待されます。
調査を通じて、先進的で多様なデジタル体験の可能性が広がっていることは間違いありません。この調査結果をもとに企業やクリエイターは、若年層をターゲットにした新たなサービスやプロダクトの開発を進めていく必要があります。
まとめ
電通の調査は、イマーシブメディアが若者に対して特に人気があることを示しています。これは、デジタル空間における新しい友好関係やコミュニケーションが、現実世界とどのように融合していくのかを探る貴重な示唆です。今後もこの分野の調査が続けられ、さらなる知見が発信されることが期待されます。