新がん免疫療法の加速
2019-06-07 18:34:38

ユナイテッド・イミュニティが新たながん免疫療法開発を加速!資金調達の背景とは

ユナイテッド・イミュニティと新たながん免疫療法の挑戦



ユナイテッド・イミュニティ株式会社が、三菱UFJキャピタルとアクシル・キャピタルを引受先に、第三者割当増資を実施しました。これは、同社が掲げる「複合がん免疫療法で難治性がんの克服に挑む」というミッションに基づき、先進的な研究開発をより一層推進するための重要なステップとなります。

近年、がん治療の分野では免疫療法が注目を集めており、特に2018年にノーベル賞を受賞したことに象徴されるように、がんへの免疫の働きを活かした治療法が新たな治療の柱となっています。中でも免疫チェックポイント阻害薬は、その代表格ですが、新たなタイプの難治性がんが存在することが明らかになりました。それが「Cold tumor」と呼ばれるがんです。

これまでの研究によれば、免疫的に活性な「Hot tumor」に対しては、治療法が機能するのに対し、Cold tumorは免疫的に不活性であり、治療に対して極めて抵抗力の高い特性を持っています。現代のがん治療においてCold tumorは重要な課題であり、様々ながん種でその存在が確認されています。

Cold tumorの特性とその課題


Cold tumorは、組織内部にT細胞がほとんど存在せず、免疫システムとの強い結びつきが欠如しています。このため最先端の免疫療法である免疫チェックポイント阻害薬も効果を示さないことが多く、治療の機会を逃してしまう残念ながら現状があります。そのため、Cold tumorに新たな治療法を提供することは、医療界全体において急務となっているといえるでしょう。

ユナイテッド・イミュニティのT-ignite技術


ユナイテッド・イミュニティは、Cold tumor克服に向けた新たなアプローチとして「T-ignite」というナノテクノロジーを応用した免疫活性化技術を開発しました。この技術は、国立大学法人三重大学の最適化ペプチド技術と、国立大学法人京都大学のナノゲル型デリバリーシステムを統合したもので、医工連携の研究から生まれた独自のものです。

T-igniteは、がん細胞に対して直接作用することでCold tumorをHot tumorに変換し、結果的に抗がんT細胞を活性化することが可能です。この技術が実現すれば、これまで治療が難しかったCold tumorに対する新たな治療手段を提供できる可能性があります。

進行中の研究と今後の展望


現在、ユナイテッド・イミュニティでは、T-igniteを用いた複合がん免疫療法の研究が進行中で、難治性の軟部肉腫を対象とした第1/2相の医師主導治験も行われています。これにより、Cold tumorタイプのがんに対する治療法の新たな選択肢が生まれることが期待されています。

ユナイテッド・イミュニティの企業情報


ユナイテッド・イミュニティは2017年に設立され、がん免疫療法を中心とした医薬品の研究や開発を行っています。所在地は三重県津市の三重大学キャンパス内で、がん治療の新たな突破口を目指して日々研究を進めています。ウェブサイトも立ち上げており、最新情報は公式サイトから確認できます。

この新たな技術が、がん治療に革命をもたらす日が訪れることを、多くの患者が待ち望んでいることでしょう。今後のユナイテッド・イミュニティの動向に注目です。

会社情報

会社名
ユナイテッド・イミュニティ株式会社
住所
東京都中央区日本橋室町一丁目12番3号KanalPlatz8階
電話番号
03-6265-1670

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