開港と神奈川奉行
2024-10-11 12:04:51

横浜の開港史を深く知る特別展「神奈川奉行」を開催

横浜開港を支えた神奈川奉行の特別展が開催



今年は、安政元年(1854年)に締結された日米和親条約から170年が経過します。この歴史的な出来事は、日本の外交の歴史に新たな局面をもたらし、幕府は外国との交渉を担う新たな機関を設立することになりました。その一環として設立されたのが「神奈川奉行所」です。
特別展「外国奉行と神奈川奉行 ―幕末の外務省と開港都市―」のPart2として、2024年10月26日から11月24日まで、横浜開港資料館で「神奈川奉行―開港都市を治める」が開催されます。この展覧会では、幕末の重要な機関である神奈川奉行の役割をクローズアップし、未だ十分に理解されていないその実態を明らかにします。

神奈川奉行所の設立と其の役割



神奈川奉行所は、安政6年(1859年)の横浜開港と同時に設立された機関で、開港都市・横浜を統治し、外国との折衝を担当しました。しかし、これまで神奈川奉行所に関しては体系的な展示や研究は行われてこなかったため、本展覧会は記念すべき初の本格的な展覧会となります。

特別展の見どころ



1. 奉行所の「御用留」



神奈川奉行所の「御用留」は、かつて統合的に残されていた史料が現在はほとんど失われていますが、福生市の石川酒造に保存された「御用留」が2冊存在することが判明しました。この史料には、公用文書や当時の重要な文書が含まれており、その一部には著名な宣教師、サミュエル・ブラウンが作成した日本語・英語の日常会話文も収められています。この史料の発見は横浜の研究者にとって新たな発見であり、当時の横浜の文化や貿易の様子を知る上で貴重な手がかりになります。

2. 下岡蓮杖の写真



展示には、当時の神奈川奉行所の役人が下岡蓮杖により撮影された貴重なガラス板写真も含まれています。蓮杖は横浜で著名な写真家であり、彼が撮影した肖像写真は非常に珍しいものです。この写真の背後には、下岡と山本謙兵衛との関係が存在しており、彼の顧客には神奈川奉行所の役人が多く含まれていました。

開催概要



特別展「神奈川奉行―開港都市を治める」は、2024年10月26日から11月24日まで、横浜開港資料館で開催されます。開館時間は9:30から17:00までで、観覧料は一般500円、小中学生及び横浜市内在住の65歳以上の方は250円です。毎週土曜日は高校生以下が無料で入館できます。また、毎月第2水曜日は65歳以上の市民も入場無料です。

さらに、11月8日には展示担当者による解説会も用意されており、資料の詳細や見どころについての説明が行われます。予約は不要で、参加費は無料ですが、特別展の観覧料が必要です。

この特別展は、幕末の神奈川奉行所の歴史を学ぶ絶好の機会です。ぜひ足を運び、当時の出来事を体感してください。


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会社情報

会社名
公益財団法人横浜市ふるさと歴史財団
住所
神奈川県横浜市都筑区中川中央1-18-1
電話番号
045-912-7771

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