オンライン取引の新たな盾「LIQUID Shield」
近年、インターネットを通じた取引が拡大する一方で、その匿名性の高さから不正行為も増加しています。特に、特殊詐欺や投資詐欺、フィッシングなどの手口が横行しており、インターネットバンキングに関する不正送金被害は前年同期比で約5.7倍、87億円に達しました。これを受け、多くの事業者がオンライン上での本人確認や認証の強化に取り組んでいます。
現状のオンライン本人確認方法
現行のオンライン本人確認の多くは、顔写真付きの本人確認書類を撮影し、自撮りの顔写真と照合する方式です。この手法では、氏名や生年月日、住所といった本人特定情報を確認します。しかし、本人確認書類の偽造技術が進化しているため、犯罪者は他人や架空の人物になりすますことが容易になっています。
本特許の特徴
株式会社ELEMENTSが取得した特許「本人確認、本人認証の不正申請検知装置」は、本人顔データ、本人特定事項、利用者の端末識別子の組み合わせを用いることで、不正申請を検知する仕組みを提供しています。これにより、偽の本人特定事項を使用した場合の不正行為を早期に発見することが可能になります。
特許概要
- - 発明の名称: 本人確認、本人認証の不正申請検知装置
- - 特許番号: 特許第7542076号
- - 特許権者: 株式会社ELEMENTS
- - 登録日: 令和6年8月21日
LIQUID Shieldのサービス内容
この特許を基にした「LIQUID Shield」は、2,000万件以上の事業者共通データベースを活用した不正検知サービスです。申し込み時の本人確認や高リスクな取引時に、過去の本人確認データと照合し、虚偽の可能性がある申請を検知します。実績としては、累計5,000件以上の不正を発見しています。
法改正に対応
政府が今後、ICチップを用いた本人確認の義務化を進める中、LIQUID Shieldはその不正利用を防ぐ役割も担っています。また、マイナンバーカードを用いた公的個人認証に関しても、同社の「JPKI+(容貌)」機能により、顔画像を取得し不正検知が可能になります。
eKYC市場での優位性
LIQUIDは、eKYC市場で5年連続のシェアNo.1を誇ります。オンライン完結の身元確認が可能で、運転免許証やマイナンバーカードを用いた手続きに対応しています。独自のAIや生体認証技術を使うことで、離脱率の低さを実現し、累計本人確認件数は5,000万件を超えています。
企業のビジョン
株式会社Liquidは、生体認証技術を駆使し、安全かつ簡便なサービス提供を目指しています。不正検知の仕組みを横断的に活用することで、様々な業界において利便性とセキュリティを両立させることに貢献しています。
所在地や設立年などの基本情報は、LiquidとELEMENTSの公式サイトで確認できます。この新たな不正検知技術の施行が、今後のオンライン取引の安全性向上に寄与することが期待されます。