パナソニック、燃料電池と冷凍機の新たなエコ連携を実証
最近、パナソニックが滋賀県草津市の「H2 KIBOU FIELD」で、純水素型燃料電池から生成された熱を吸収式冷凍機に活用する実証実験を開始しました。この新たな連携により、再生可能エネルギーを最大限に活用し、環境に優しいエコシステムを実現することを目指しています。
新たな熱の活用方法
これまで、純水素型燃料電池が発電時に発生する熱の温度(最大60℃)と、吸収式冷凍機が必要とする最低温度(80℃)には20℃の差があり、熱を効率よく利用するのが困難でした。しかし、パナソニックは両者の温度条件を改善し、それぞれの温度を10℃ずつ調整することで、70℃の熱を使う新しい連携システムを構築しています。この改良により、10台の燃料電池からの熱を低温廃熱利用型の吸収式冷凍機が活用できるようになりました。
この実証実験の目的は、燃料電池と冷凍機の連携によるエネルギー効率を向上させるとともに、冷暖房設備の消費電力を抑えることにあります。これにより、熱連携ソリューションの市場性や有効性を検証します。
再生可能エネルギーとの結びつき
H2 KIBOU FIELDでは、99台の5 kWタイプの純水素型燃料電池に加え、570 kWの太陽電池と1.1 MWhの蓄電池を組み合わせて運用しています。これにより、燃料電池の発電を再生可能エネルギーで賄い、工場の電力需求や発電の余剰を抑え、効率的なエネルギーマネジメントを行っています。今回の実証実験では、燃料電池に新規触媒を導入し、出湯温度を60℃から70℃へと引き上げることで、エネルギー効率95%の達成を目指します。
吸収式冷凍機の特長
パナソニックの吸収式冷凍機は、自然冷媒である水を利用した高効率な空調システムです。廃熱を利用することによって、環境への配慮を重視しています。今回設置した吸収式冷凍機は、最小熱源温度を70℃に引き下げることができ、純水素型燃料電池の熱を有効活用する新たな可能性を開きました。これにより、業務用エアコンの冷房に冷水を活用する業界初の試みが実現され、空調にかかる消費電力を50%削減することを目指しています。
脱炭素社会へ向けた取り組み
今回の実証実験は、パナソニックが製品同士の利点を組み合わせ、単独の事業や製品では実現できない価値の創出を狙っています。脱炭素社会の実現に向けて、今後も新たなソリューションを開発し、顧客価値を高めるための取り組みを進めていく考えです。
詳しい内容は、
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