NordicNinja ファンドII、ファイナルクローズを完了
NordicNinjaが運営する「NordicNinjaFundII SCSp」(以下、北欧2号ファンド)は、新たに住友林業株式会社、株式会社メタルワン、ヤマトホールディングス株式会社、そして株式会社国際協力銀行という企業が加わり、約22百万ユーロ(約35億円)を調達し、ファイナルクローズを無事に完了したことを発表しました。この北欧2号ファンドは、昨年の設立以来、環境に優しい技術やデジタル化を進めるスタートアップへの投資を行ってきました。
北欧2号ファンドの投資戦略
北欧2号ファンドは、サステナブル社会の実現とデジタルインフラの向上を目指すスタートアップに対し、新たな資金援助を行っていく方針です。具体的には、北欧諸国やバルト地域に加えて、英国やオランダを含む北部ヨーロッパの企業に対して広範な投資を行い、持続可能な社会へ向けた重要な変革を促進します。また、このファンドは、欧州のサステナブルファイナンス開示規則(SFDR)第8条の要件を遵守する「ライトグリーンファンド」としても活動し、サステナブル社会の構築を後押ししていきます。
主な投資対象地域と領域
以下の地域や領域において、北欧2号ファンドは投資を行います:
- - 主な投資対象地域: 英国、アイルランド、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、フィンランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、アイスランド、エストニア、ラトビア、リトアニア。
- - 主な投資領域: モビリティ、エネルギー、アグリ・フード、サーキュラーエコノミー、自然資源に関連するテクノロジー、フィンテック、ヘルスケア。
投資先の事例
ファンドはこれまでに、以下のようなスタートアップに投資を実施しています:
- - Arbonics: エストニア発の企業で、衛星データを用いた森林由来のカーボンクレジット発行をサポートするプラットフォームを運営。
- - Griffin: 英国の法人向けに、Banking-as-a-Serviceを提供するプラットフォーム。
- - Onego: フィンランド発、独自のプロセスで卵白の特性を持つ代替プロテインを生産。
- - LiveEO: ドイツ発の企業で、AIを活用してインフラ資産の気候変動リスクを管理。
- - VSParticle: オランダの企業で、3Dプリンティング用の導電性ナノ粒子を製造する機器を設計販売。
- - Hived: 英国の企業で、EV車両およびAIを用いた高効率なデリバリーサービスを提供。
出資者の声
出資者たちは、北欧2号ファンドの意義について次のように述べています:
- - 住友林業株式会社の代表取締役社長、光吉敏郎氏は、「森林経営からバイオリファイナリーまで、木を基軸とした事業を展開し、サステナブルな未来の構築を目指しています。本ファンドとの連携を通じ、循環型ビジネスを推進したい」と語ります。
- - メタルワンの執行役員の中村明人氏は、「この出資を通じて、北欧のスタートアップと協力し、鉄鋼業界の競争力を高めたい」と意気込みを示しています。
- - ヤマトホールディングスの常務執行役員の樫本敦司氏は、「北欧地域から学び、新たな価値を創造することで、持続可能な社会の実現に貢献する」と述べています。
- - 最後に、国際協力銀行の常務取締役の内田誠氏は、「本ファンドを通じて、日本の企業と北部ヨーロッパのスタートアップとの協業を進め、イノベーションをサポートしていく」と強調しました。
このように、北欧2号ファンドは、新しい出資者を得ることでますますその活動の幅を広げ、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを加速しています。今後の展開が期待されます。