マルハニチロ大江工場、AIで食品の選別作業を革新
マルハニチロ株式会社の大江工場では、食品の安全性を向上させるため、ロビット社が開発したカット野菜用のAI外観検査装置「TESRAY Gシリーズ」が導入されました。この装置は、AI技術を活用し、野菜や肉などの原材料が落下する一瞬の間に異常品を検知し除去することが可能です。
「TESRAY Gシリーズ」とは?
「TESRAY Gシリーズ」は、高精度かつ高速で食品農作物の検査を行うために設計されています。特に、白色野菜の変色や異物混入の検出が求められる冷凍食品製造の現場において、その効果を発揮しています。独自のAI技術によって、良品と似た色の異物も迅速に判別し、出荷から除外することができます。
特長で見るTESRAY Gシリーズの革新
1.
高い精度と速度: ロビットの技術により、従来技術では難しかった判別が可能に。人間の目では見逃すかもしれない微細な違いも、AIが瞬時に感知します。
2.
柔軟な選別基準: 「軽微な変形なら出荷」といった基準が設定でき、歩留まりの最適化が図られています。この取り組みは、食品ロスを減らすことにも寄与しています。
3.
コンパクト設計: 限られた製造スペースでも設置可能なサイズであるため、既存の製造ラインに簡単に組み込むことができます。
大江工場での選別工程
大江工場では、冷凍食品の原材料に対する外観検査が行われています。特に、異物混入や形態不良の高精度な検出が求められ、熟練作業者が行っていた目視検査の負担軽減を図るために、新たな技術の導入が急務でした。
そのため、ロビット社のAI外観検査装置「TESRAY Gシリーズ」の導入により、省人化と品質管理の向上が実現されました。これにより、熟練した技術者に依存せず、一定の品質基準を保つことが可能になりました。
AI導入の効果
新しいAI技術によって、検査作業は大きく改善されました。色彩選別機では検知できなかったカット白菜の同系色の形態不良も発見可能となり、作業の自動化が進んでいます。これは、検査の品質を安定させるだけでなく、人手不足の解消にも役立っています。
1ロットごとに検査情報を集計することで、異常の傾向や頻度が分析でき、各サプライヤーの品質管理に役立てることも可能です。
将来への展望
マルハニチロ株式会社は、AI技術をさらに活用し、全体の製造ラインのスマート化を目指しています。食品の安全性と品質を維持しながら、労働力の確保に困難を抱える業界に変革をもたらすことでしょう。
ユーザーからの評価
大江工場の工場長、浜田敏宏氏は、「AIの導入により、省人化と品質基準の統一が進みました」と語り、さらなる技術の導入への期待を寄せています。現在、 マルハニチロはこの取組みを全社的に広げ、製品の安定供給と品位向上を図っています。
このように、AI技術の導入がもたらす革新は、食品業界における新たなスタンダードとなることが期待されています。