次亜塩素酸の実使用空間における除菌効果
最近、次亜塩素酸を使用した浮遊菌や付着菌の除菌効果に関する重要な研究が、学術誌『Microorganisms』に掲載されました。この研究は、パナソニック株式会社の空質空調社と群馬パース大学の共同によって行われ、特に感染症のリスクを低減する手段としての可能性が評価されています。
研究の背景
屋内環境では、空中や表面に存在する細菌やウイルスが生活空間の感染症の原因となることがあります。このため、効果的な除菌手段の開発が急務となっています。本研究は、次亜塩素酸の除菌効果を確認するために、実際の使用空間でその効果を定量的に評価することを目的に実施されました。
研究方法
研究チームは、気体状の次亜塩素酸発生装置と微粒子除去フィルターを組み合わせた特殊な検証装置を開発しました。この装置を用いて、まず群馬パース大学の特定の教室内でフィールドテストが行われました。テストは、浮遊菌・付着菌の減少を観測するために実施されました。
研究結果
テストの結果、検証装置の運転開始からわずか2.25時間後、空中の浮遊菌数が約14.5%減少したことが確認されました(p=0.00001)。さらに、装置から距離が8メートル離れた場所でも、大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌の生存数がそれぞれ59%から99%も減少しました(p=0.005~0.028)。この結果は、次亜塩素酸を使用した除菌が非常に効果的であることを示しています。
研究の意義
群馬パース大学の木村博一教授は、この研究の成果を受け、「次亜塩素酸技術により、人が居住する空間の浮遊菌や付着菌が有意に制御可能であることが科学的に証明された」と述べています。この研究成果は、家庭や公共の場での感染症対策に有望な手段となり得ると期待されています。
まとめ
このように、次亜塩素酸を用いた菌の除去に関する新たな知見は、今後の感染症対策において重要な役割を果たすことでしょう。本研究は群馬パース大学との共同研究により実現したもので、当該分野でのさらなる研究の進展が期待されます。興味のある方は以下のリンクから論文を確認されることをお勧めします。
論文を読む
また、今後の研究成果にも注目していきたいところです。