東京大学シンポジウムの開催報告
2024年6月19日、東京大学本郷キャンパスにて、「サプライチェーン全体最適へのアカデミアの貢献」というテーマのもと東京大学先端科学技術研究センターが主催した設立5周年記念シンポジウムが開催されました。このシンポジウムは、株式会社meherの支援により、物流業界が直面する課題と解決策を議論する場となりました。
シンポジウムの背景
近年、「物流2024年問題」が注目される中、物流に対する関心が高まっています。物流の課題を解決するためには、単に物流セクターだけでなく、商品の需要を基盤としたサプライチェーン全体の最適化が求められます。この全体最適化を実現するには、次世代を担う人材の教育も重要であり、それを実現するための大学教育の充実が要されているのです。
東京大学先端科学技術研究センターは、この課題認識のもと、アカデミアの専門知識をもとに物流業界の未来を探るため、シンポジウムを開催しました。
シンポジウムの概要
シンポジウムは、オフラインおよびオンラインで実施され、14時から17時50分まで約4時間にわたり行われました。
- - 基調講演には、経済産業省から中野剛志課長と東京大学の西成活裕教授が登壇しました。
- - 発表セッションでは、東京大学の特任研究員や准教授が、自身の研究成果や見解を発表しました。例えば、消費者行動分析から始まり、ブルウィップ制御理論、人工衛星リモートセンシングの物流への応用まで、多様なテーマにわたる研究が紹介されました。
特に、今回のシンポジウムでは、物流業界とアカデミアとの連携が強く求められる点が強調されました。物流業界のパネリストとして参画した企業からは、アカデミアへの期待と協力を感謝する意見が多く寄せられました。
シンポジウムの内容
1.
基調講演
- 中野 剛志(経済産業省)
- 西成 活裕(東京大学)
2.
発表セッション
- 井村 直人(消費者行動分析)
- 大山 雄己(流需要マネジメント)
- 崔 耕(ブルウィップ制御理論)
- 村田 裕樹(リモートセンシングの応用)
- 江崎 貴裕(物流理論の構築)
3.
パネルディスカッション
- テーマ: 物流業界からアカデミアへの期待
- ファシリテーター: 西成 活裕
- パネリストには、ヤマトHD、SBS HD、鈴与、NIPPON EXPRESS HDから各幹部が参加し、業界の視点からの思いや意見を述べました。
このように、多角的な視点から物流業界の課題を議論し、具体的な解決策の模索がなされました。
まとめ
シンポジウムを通じて、物流業界が抱える問題点が浮き彫りになり、それに対するアカデミアの役割や期待についての理解が深まりました。特に、アカデミアと業界が協力することで新たな解決策を生み出す可能性が高まることが確認されました。今後のさらなる研究や連携が期待される中、次回のシンポジウムにも大いに注目が集まることでしょう。