オフィス市場の新時代
2025-10-08 11:36:35

アジア太平洋地域のオフィス市場、新たな戦略的成熟期に突入

アジア太平洋地域のオフィス市場、新たな時代を迎える



アジア太平洋地域のオフィス市場が新たな段階へと進化を果たしています。クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの最新レポートによると、この地域のオフィスストックは過去10年間で約2倍に増加し、その面積は23億3000万平方フィートに達しました。特に顕著な成長を見せているのは、インド、東南アジア、中国本土の都市群です。

オフィス需要の成長とその要因



アジア太平洋地域では、インド、東南アジア、中国本土の17都市がオフィス吸収量の約3分の2を占めています。市況の高速化とともに、オフィススペースの需要が急速に変化していることが特徴です。かつての単なるオフィススペースの拡張から、ブランドや企業文化を表現し、業務のパフォーマンスを向上させるための場としての役割へのシフトが進んでいます。

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドのインド及びアジア太平洋地域のCEOであるアンシュル・ジェイン氏は、この地域の企業が人材の育成やESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを優先したスペース選びを進めていると指摘します。特にテクノロジーを活用したグレードAオフィスへの需要が高まっており、この流れは今後も加速していくと予測されています。

中国のオフィス環境の変化



中国では、テクノロジー・メディア・通信(TMT)や金融業態などからの持続的な需要がオフィス市場に反映されています。特に、AIやバイオテクノロジー、量子コンピュータなどの新興分野からの需要も加わり、室内空間の革新が進行中です。上海と深センでは、これから1年間で3,800万平方フィートの新規オフィス供給が見込まれ、これはロンドン中心部の5年間の供給量を上回る規模と言われています。

インドのオフィス市場の強靭さ



インドは、世界のグローバル・キャパビリティ・センターの約50%が存在しており、強固な副次的需要があることから、オフィス市場が最も堅調な地域の一つに挙げられます。2023年から2024年の間に、主要都市で年間4,000万平方フィートを超えるオフィスの純吸収が見込まれています。市場の需要は、急成長を続けるスタートアップや製造業に後押しされています。

バンガロールやムンバイなどの主要都市では、グレードA+ビルへの需要が増加しており、これらのビルでは賃料が5~10%上昇し、空室率が低下しています。

東南アジアの堅調なオフィス市場



東南アジア地域では、過去5年間で10%の成長を遂げ、現在稼働しているグレードAのオフィスは2億3500万平方フィートに達しました。特に、ハノイやバンコク、マニラなどでは、銀行や金融業界が主導する市場が形成されています。テクノロジー企業や医療業界もその成長に寄与しており、オフィスの多様化が進んでいます。

将来展望



アジア太平洋地域のオフィス市場は今後も拡大を続け、成熟段階を迎えます。テナントの選択基準が厳しくなる一方で、オーナー側はより革新性の高い選択肢を提供する必要があります。この競争が今後の市場の進化に大きく寄与するでしょう。テナントは、クオリティやESGとの整合性を重視しつつ、革新的なスペースを求める傾向が強まっています。

「この地域のオフィスセクターは今まさに大きな転換期にあり、量から質への移行が進んでいます。市場の動向や未来の方向性について語る本レポートは、業界の変革の重要性を示しています」と、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドのプラントロジー責任者ドミニク・ブラウンは述べています。これからもこの地域のオフィス市場の動向に注目です。

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