NLAB新施設始動
2024-10-31 14:18:51

新たな蓄電池試験施設『NLAB先端技術評価実験棟』ついに始動

NLAB先端技術評価実験棟の幕開け



2024年3月、大阪市に新たに竣工された蓄電池評価センター『NLAB先端技術評価実験棟(MIDDLE チャンバー)』が注目を集めています。この施設では、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が設立したもので、特にレーザ照射による大型セルの熱暴走試験に関する共同試験が10月初旬から中旬にかけて行われました。この試験は、一般財団法人電気安全環境研究所(JET)との協力によって実施されており、業界全体にとって重要な一歩となるでしょう。

新しいMIDDLE チャンバーは、これまでの大型実験棟(ラージチャンバー)での試験に加えて、様々な要素を兼ね備えています。特に硫化水素ガスを安全に処理できる機能を持つことで、今後の電気自動車技術や全固体電池に関する評価が進むことが期待されています。この取り組みは、我が国の蓄電池業界の競争力を高め、カーボンニュートラル社会の実現に寄与するものとされています。

脱炭素社会実現の一端を担う


新たに設立されたNLABの役割は、急速に進化する再生可能エネルギー分野において極めて重要です。現在、再生可能エネルギーは季節ごとや天候によって発電量が変動するため、この不安定さを補う蓄電池の重要性が増しています。特に大型蓄電池システムは、他国への輸出時においても、顧客からの認証や試験データが求められるため、信頼性を高めるための試験評価が必要不可欠です。

経済産業省が取り組む「グローバル認証基盤整備事業」において、2016年には世界初の大型蓄電池試験評価施設NLABが設立されました。この施設を通じて、国内企業や研究機関は国際的な標準化や試験評価手法の開発、さらには製品の安全性や性能を示すための試験を行い、国際市場における競争力の強化に繋がることを目指しています。

MIDDLE チャンバーの役割


新しいMIDDLE チャンバーは、ラージチャンバーの能力を受け継ぎつつ、さらに進化した排煙処理機能を持っています。これにより、ナノテクノロジーや新素材を活用した次世代の全固体電池など、先進的な技術の試験を安全に行うことができるのです。この点が、NLABが今後展開する様々な共同試験への期待を高めています。

常に進化する技術に対応するため、NLABは業界団体や各経営者との連携を強化し、安全基準や評価手法の開発を進めていきます。これにより、日本の蓄電池産業が世界市場で先導的な役割を果たすためのルール整備が進むことでしょう。

NLABの新施設は、さまざまな可能性を秘めたため、今後の展開には目が離せません。蓄電池産業の未来を担うこの施設が、どのように進化し、次世代技術に貢献していくのか、今後の動向に期待が寄せられています。


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会社情報

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製品評価技術基盤機構(NITE)
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