感染症検査技術の革新
2024-10-31 22:54:52

栄研化学、ナノティスに出資し感染症検査技術の革新を目指す

栄研化学、ナノティスに出資



臨床検査薬のリーダーである栄研化学株式会社は、感染症のデジタル検査技術の発展に向け、東京大学発のベンチャー企業ナノティス株式会社に出資しました。この出資は、Seed2ラウンドとして行われ、ナノティスが開発する唾液を基にした次世代の感染症デジタル検査デバイスに大きな期待が寄せられています。

ナノティスの革新技術



ナノティスは2016年に設立されたスタートアップで、「感染症に怯えず暮らせる世界を創る」という目標の下、迅速かつ簡単に行えるデジタル検査機器の研究開発を進めています。特許を取得済みの「NANOTIS法」は、誘電泳動法を用いて感染症を検出する新しい手法であり、ウイルスの迅速検出に成功した実績もあります。

具体的には、ナノティスはインフルエンザウイルスの迅速な検出に成功しており、その技術は広範な適用可能性を持つと評価されています。ナノティスの検査技術は即時に結果を得ることができるため、疾患の監視や遠隔医療の実現に向けた新しい可能性を切り開くと期待されています。

栄研化学のビジョン



栄研化学は、1939年の設立以来、臨床検査薬の開発において主導的な役割を果たしてきました。その中で、特に潜血検査用試薬では世界シェアを有し、独自の遺伝子増幅技術「LAMP法」は国際的にも高い評価を受けています。新型コロナウイルスの流行時には、迅速検査技術として医療現場に大きく貢献しました。

同社は、「EIKEN Vision 2030」に基づき、未来の検査技術を開発すると共に、持続可能な社会の実現を目指しています。その中で簡便な感染症検査技術の確立に力を注いでいます。

両社の協力



今回の資本提携によって、栄研化学はナノティスと強力な協力関係を結び、次世代の検査キットを開発するための一歩を踏み出しました。具体的には、実際の患者検体を用いた前臨床研究を通じてNANOTIS法の検証や、量産試作機の小型化とコストダウンを目指しています。

中長期的には、ナノティスのデジタル技術を基にした感染症データベースの構築や、デジタルヘルス領域との連携を視野に入れたプロジェクトが期待されています。感染症領域にとどまらず、生体粒子全般を対象とした技術の実装を促進し、医療分野に真に貢献できる製品とサービスの開発を目指しています。

コメント



栄研化学の代表取締役社長、納富継宣氏は「NANOTIS法は、POCT検査として瞬時に判定を行える技術であり、大きな可能性を秘めています。ナノティスと共に具現化に向けて取り組んでいきます」と述べています。また、ナノティスの坂下理紗CEOも「栄研化学からの評価を受け、研究開発の加速を確信しています」とコメントしています。

この提携により、感染症検査技術の革新が加速し、より良い未来が実現されることが期待されます。


画像1

会社情報

会社名
ナノティス株式会社
住所
東京都渋谷区代々木5-30-13
電話番号

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。