伊根町の黒マグロを守る取り組み
2024年9月8日から9日の間、京都府の伊根町で「海の京都調査隊」というイベントが開催されました。この活動は、世界的に一度絶滅の危機に瀕した黒マグロを守るための取り組みを学ぶもので、小学5年生の20名が参加しました。
イベントの背景
黒マグロは、人気の高い魚である一方、その乱獲や生息環境の悪化によって一時は絶滅状態にまで追い込まれました。今回のイベントでは、伊根町での特有の黒マグロ養殖法やその文化について学び、参加者は資源を守るために何ができるかを考えました。
養殖場と漁業体験
初日は、参加者たちは海を守るための重要な役割を果たしている黒マグロ養殖場を見学しました。水中ドローンを使った生育管理や養殖技術を学び、300トンもの黒マグロが養殖されている生簀を視察しました。さらに、130キロの黒マグロが引き上げられる様子を目の当たりにし、養殖過程でのストレス管理の重要性についても理解を深めました。
料理体験での学び
その後、宮津市の回転寿司金ぱ銀ぱで行われた黒マグロの解体ショーでは、子どもたちが興奮を隠しきれませんでした。実際に黒マグロを触り、その部位の違いや独特な味わいについて学ぶ機会を持ちました。解体された部分を使って自分たちで寿司を作る過程では、初めて料理を体験した子どもたちが楽しそうに切り身を握っていました。
定置網漁体験
2日目には伊根湾で定置網漁を体験しました。朝早くから漁船に乗り込んだ参加者たちは、網を引き上げて多種多様な魚を捕まえる様子を見学。特に大きなカジキマグロが捕まったときの興奮は忘れられない瞬間となったことでしょう。この体験を通じて漁師たちの努力と海の恵みへの感謝を学びました。
漁港見学と地域の文化
最後に、伊根漁港で魚の仕分け作業や浜売りの特色を見学しました。地域に根付いた伝統的な文化や漁業活動と、海との関わり方を学びながら、参加者たちは今後の資源管理について考える重要なきっかけを得ることができました。
参加者の声
イベントを振り返った子供たちからは、「黒マグロのつり上げを見れてよかった」「養殖場での学びがすごかった」といった感想が寄せられました。また、教員たちも「この経験を通して子供たちが成長していく姿が楽しみ」と話すなど、一人ひとりが得た学びが深いことを実感させてくれました。
結びに
「海の京都プロジェクト」は、海に触れ合う機会を通じて子どもたちに海の大切さを伝え、未来に向けた行動を促すことを目指しています。今回のイベントはその一環であり、参加者たちは黒マグロの保護というテーマに取り組むことで、地域社会にも貢献する意識を育てていきます。