パリモーターショー2024での革新
2024年パリモーターショーにて、世界的な自動車技術のリーダーであるヴァレオと、地図および位置情報ソリューションを提供するHERE Technologiesが、新しいナビゲーション・オン・パイロット(NOP)機能を搭載した「ヴァレオ・スマート・セーフティ360」システムを発表しました。この技術革新は、コネクテッド・ビークル向けの高精度なナビゲーションと安全機能を融合させたもので、多くの自動車メーカーに新たな運転支援体験を提供することを目的としています。
新バージョンの特徴
ヴァレオのスマート・セーフティ360(VSS360)システムは、ADAS(先進運転支援システム)のターンキーソリューションとして設計されており、エントリーモデルから高度な運転支援、駐車支援機能まで様々なオプションを提供可能です。このソリューションは、ハードウェアとソフトウェアの両方で十分な技術的専門知識を活用しており、車両のアーキテクチャへの影響を最小限に抑えながら多様な安全機能を追加することができます。
最新の駐車および運転支援機能により、ユーザーは安全で快適なドライブを実現できます。特に、スマート・フロントカメラがアーキテクチャの中心となっており、最大6台のカメラ、5台のレーダー、12台の超音波センサーと連動しています。このスケーラブルなアプローチにより、多様な安全センサーと運転支援センサーを統合することが可能で、OEMは個々のECU(電子制御ユニット)を削除しつつコストの最適化を図ることができます。
L2/L2+ ADAS機能の導入
発表されたシステムは、最新の安全基準であるGSRやNCAPに適合したL2/L2+ ADAS機能を統合しています。特に、運転支援機能は運転手の監視のもと、全速度域での自動運転支援を提供し、出発地と目的地の設定はドライバーが行ないます。NOP機能には、車両の加減速と方向転換の制御が含まれ、運転手が自動で追い越しや高速道路への接続を行えるよう支援する自動レーンチェンジアシストを搭載しています。
HERE Technologiesは、車線数、操作指示、制限速度などを反映したHERE HDライブマップに基づき、詳細なルート案内と操作情報をNOPに提供します。これにより、運転の精度が向上し、安全な運転体験の実現が期待されます。
ヴァレオとHEREのパートナーシップ
ヴァレオのブレイン・ディビジョン CEOのマーク・ヴレコー氏は、「自動運転と安全機能の市場は急成長している。スマート・セーフティ360は、私たちの専門知識を基にしたスケーラブルなソリューションで、HEREの地図とナビゲーション技術を組み合わせることで、より多くのADAS機能を車両に提供できる。この技術により、安全な車両利用を実現したい」と述べました。
一方、HERE TechnologiesのSVPでEMEAジェネラル・マネージャーのジノ・フェルー氏は、「ヴァレオとの提携により、ADASの提供をさらに進化させられることを嬉しく思う。ナビゲーション・オン・パイロットは、OEMやドライバーにとって、運転体験を大きく変える技術です」とコメントしています。
モビリティの未来
ヴァレオは、自動車メーカーや新しいモビリティ関連企業に対して、イノベーションを推進し続けており、クリーンで安全でスマートなモビリティの実現を目指しています。2023年には220億ユーロの売上を計上し、112,700人を超える従業員を抱え、29カ国で175の工場を運営しています。これに対し、HERE Technologiesは、40年にわたって位置情報テクノロジーを牽引し、業界でのリーダーシップを確立してきました。
今後、この最新技術がどのように発展し、車両運転の安全性と快適性を向上させるのか、期待が高まるばかりです。