食品ロスと子ども支援
2022-12-22 14:00:01

食品ロス削減と子ども支援を目指す新たな取り組み

冬休みにおける食品ロス削減と子ども支援



この冬、家庭の経済状況が厳しい中、食品ロスを削減しつつ困難な状況にある家庭を支援する新しい試みが始まりました。三浦半島を代表する青首だいこんを利用した寄附食品物流ネットワークの構築に向けた実証実験が、ネッスー株式会社の主導の下で実施されています。

背景


日本では年間522万トンの食品ロスが発生しており、特に子どもたちの相対的貧困が問題視されています。具体的には、7人に1人が貧困状態にあり、十分な食事を提供できない家庭が増えているのです。これに加え、最近の物価高騰は、支援を必要とする世帯の状況をより深刻なものにしています。このため、フードバンクなどの食支援の重要性が高まっています。

行き場のない野菜


三浦市では、毎年大量の「行き場のない野菜」が生じています。2021年度には、大根だけで2,000トン以上が廃棄されているとのことです。地元農業協同組合はフードバンクへの寄附を試みていますが、実現する量は1トン未満に留まっています。この背景には、寄附先のニーズをつかめないこと、配送手段がないこと、受け入れ可能な保管スペースが不足していることが挙げられます。

実証実験の内容


ネッスー株式会社は、農家や農協、市場卸売事業者と連携し、「つながる、おやさい便」という新たな仕組みを開発しました。このシステムでは、ネッスーがフードバンクとの情報共有を行い、卸売市場への農協の納品便に寄附品を組み合わせて届ける仕組み作りをサポートします。これにより、効率的な物流が実現され、地域の子どもたちに支援が届けられることが期待されています。

この実証実験は、世田谷区の地域連携型ハンズオン支援事業「SETACOLOR」に採択されており、東京都や一般社団法人サスティナブルフードチェーン協議会の支援を受けています。さらに、東京農業大学と連携して、食品ロス削減効果や栄養の充足度改善効果を評価することも計画されています。

未来の展望


この実験によって、全国の農業協同組合が行った寄附量の約2倍にあたる30トンの寄附が実現する見込みです。このような取り組みを維持・拡大し、食品ロスを減少させるとともに、子どもたちの栄養状態を改善していくことが目指されています。

ネッスー株式会社の概要


ネッスー株式会社は、子どもの機会の格差を是正することを目的に、フードバンクとの連携を図るネットスーパー事業を展開しています。2023年にはこの取り組みを本格化させる予定で、寄附品の流通においてフードサプライチェーンを活用することで、効率的な支援を実現します。

取り組みに対する期待


この新たな取り組みは、さまざまな関係者からの期待を集めています。ネッスー代表取締役の木戸優起氏は、このシステムが食品ロスを減らしつつ、子どもたちの栄養を確保するものとして大きな意義を持つと考えています。また、中西成之氏(世田谷区商業課)もこの取り組みをしっかりと支援し、地域の子どもたちに貢献することを期待しています。

このように、地域の農業・流通業界が連携して行う本事業は、今後全国的なモデルケースとなることが期待され、困っている子どもたちに笑顔をもたらす活動として注目されています。

会社情報

会社名
ネッスー株式会社
住所
東京都世田谷区代沢4丁目44-4
電話番号
03-6453-2777

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