しじみ調査隊: 子どもたちが琵琶湖と大阪湾の生物多様性を学ぶ
一般社団法人海と日本プロジェクトin滋賀県による「しじみ調査隊」が、滋賀県内の小学5年生を対象に8月5日、18日、25日の3日間で開催されました。今年のテーマは「しじみを通して環境と生物多様性について考える」です。参加した20名の子どもたちは、琵琶湖や大阪湾の環境を調査しながら、私たちの生活が及ぼす影響について学びました。
イベントの目的と概要
本イベントは、次世代に豊かで美しい海を引き継ぐために実施されている「海と日本プロジェクト」の一環です。子どもたちには、環境と生物多様性を理解してもらい、持続可能な生活スタイルについて考える機会を提供することを目的としています。
開催日程と場所
- - 1日目: 瀬田漁港(滋賀県大津市)、滋賀県立琵琶湖博物館(滋賀県草津市)
- - 2日目: 岸和田漁港(大阪府岸和田市)、淀川河川公園(大阪府大阪市)
- - 3日目: O'PAL(滋賀県大津市)
しじみ漁の体験: 環境問題の理解へ
初日の体験では、子どもたちは実際に琵琶湖でしじみ漁を行いました。8メートルの竿を使った手掻き漁に挑戦し、獲れたしじみに歓声を上げる子どもたち。しかし、漁師さんからは「昔はもっと多く獲れた」との話を聞き、しじみの減少がどのように私たちの生活と結びついているかを考えさせられました。実際、しじみの漁獲量はかつての300分の1にまで減少しています。
環境教育セッション
続いて、琵琶湖環境科学研究センターの井上栄壮先生の講義を受け、湖底生物や環境についての専門的な内容を学びました。また、琵琶湖博物館での展示も通じて、琵琶湖の歴史や生物の変遷についても知見を深めました。
大阪湾での調査
2日目には、大阪府に足を運び、岸和田漁港や淀川河川公園での生物調査を行いました。漁業協同組合の方々から、大阪湾の漁獲や養殖の現状について教えてもらい、現代の漁業が直面している問題についても理解を深めました。特に、地球温暖化の影響で漁獲量が減少する現実に直面し、子どもたちは真剣に環境問題を考えるきっかけとなりました。
みんなで作る壁新聞
3日間の活動を経て、子どもたちはそれぞれテーマを決め、レポートを作成しました。その成果をまとめた壁新聞には「琵琶湖と海のつながり」「環境と生き物の関係」が描かれ、参加者全員で意見を交わしました。彼らの発表からは、環境保護への強い思いが感じられました。
参加者の声
イベントに参加した子どもや保護者からは、「しじみが減っている理由が分かった」「琵琶湖と大阪湾がつながっていることを実感した」といった感想が寄せられました。このプログラムを通じて、子どもたちは自分たちの日常生活が自然環境にどう影響するかを考える重要性を学びました。
結論
「しじみ調査隊」は、琵琶湖と大阪湾をつなぐ生物多様性について学ぶ素晴らしい機会でした。子どもたちが環境について考え、自らの生活を見直すきっかけとなることを願います。