企業の社会的責任を可視化するツール「SSCAP」の登場
一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)は、企業の社会的責任(CSR)や持続可能な発展に向けた取り組みを可視化する新しいツール、SSCAP(持続可能サプライチェーン評価プラットフォーム)を公開しました。このツールは、ISO26000を基盤に、日本企業特有の状況を考慮して作られた自己評価のプラットフォームです。
SSCAPは、全方位からの設問を通じて企業の問題点や課題を鮮明化し、ダッシュボードにより情報を整理することで、必要な情報を簡単に抽出できる仕組みを提供します。食品産業をはじめとするサプライチェーン全体で持続可能な発展を促すことを目的としており、企業のCSR活動のハードルを下げる手助けをします。
公開記念イベントの開催
SSCAPの公開に際し、2024年11月19日に特別イベントが開催されました。このイベントはハイブリッド形式で行われ、SSCAPの開発に関わった専門家5名が登壇し、パネルディスカッションでは「社会的責任への取り組みの現場課題とSSCAPの変化」について深化した議論が交わされました。イベントには農林水産省の阿辺一郎部長も参加し、SSCAPの重要性について語りました。
阿辺部長は「農林水産省でも持続可能な経営に関するガイダンスを作成している中で、SSCAPは食品サプライチェーンのニーズに即したものである」と評価しました。続いて、JFSMからはSSCAPの背景や企業のCSRをどのように可視化するかについての説明が行われました。その後、 CSRや環境問題、食品安全に熟知した専門家たちが具体的な議論を展開しました。
登壇者の中には、CSRアジアの赤羽真紀子代表や、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンの氏家啓一次長、さらに日本コンプライアンス&ガバナンス研究所の専門家らが含まれ、各企業が直面する社会的責任の課題やSSCAPによる変化の可能性を議論しました。
SSCAPの特徴
SSCAPはCSR活動をデジタルで可視化し、その進捗や成果をリアルタイムに把握できるダッシュボード形式のプラットフォームです。企業はこのツールを使用することで、CSRの達成度を測定・報告できるだけでなく、その影響を可視化し、ステークホルダーとの信頼関係を深めることが可能です。
主な機能には以下が含まれます:
- - 取り組み状況の可視化機能:全方位の設問によって問題を抽出し、取り組みをスピードアップつつ、必要な情報を容易に取り出すことができます。
- - 関係者の理解促進機能:情報の背景理解を深め、自社の現状を正しく把握し、社員全体の方向性を整えるサポートをします。
- - サプライヤー管理機能:コスト削減を図り、サプライヤーとの協力を得やすくし、リスクを迅速に把握できます。
このように、SSCAPは企業が持続可能な経営に向けた実践をする上で非常に役立つツールです。詳細はJFSMの公式サイトで確認できるので、ぜひご覧ください。
JFSMについて
一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)は、国際的な食品安全マネジメント基準に合致した日本発の食品安全認証プログラム「JFS規格」を運営しています。2024年からは社会的責任事業にも活動領域を広げ、「食品安全の確立」と「社会的責任の遂行」の両面から、食品産業の信頼性向上を目指しています。
- - 団体名:一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)
- - 所在地:東京都中央区銀座8丁目17番5号 THE HUB 銀座 OCT605号室
- - 理事長:小谷 雅紀
- - 設立:2016年1月
- - 公式URL:JFSM公式サイト