鳥取市の宝木での菖蒲綱行事
鳥取市気高町の宝木地区で、毎年6月初旬に行われる「菖蒲綱行事」。この行事は、150年以上もの間、地域の子どもたちの手によって受け継がれてきた伝統的な民俗行事です。
歴史のある行事
もともとこの行事は旧暦の5月5日、端午の節句に合わせて執り行われていましたが、現代ではその日付が変更されています。参加者は7歳から14歳までの少年たちで、彼らは自主的にこの伝統を守り続けています。行事のメインは、菖蒲、ヨモギ、カヤで作った綱を古町と新町に分かれて担ぎ、家々の邪気を払うこと。参加者たちは元気な声で「エイトー、エイトー」と歌いながら行進します。
競い合う喜び
午後には綱引きや相撲といった対抗戦も行われ、地域の子どもたちの間で対抗意識が高まります。日頃から仲の良い友達同士が、勝利を目指して真剣に取り組む姿に、見守る大人たちも大興奮です。勝ち負けに関係なく、笑顔が絶えないこの場面が、地域のつながりと温かさを醸し出しています。
お互いを見守り合う地域の絆
行事に参加する子どもたちの姿を見ていると、彼らの健やかな成長を願う地域の大人たちの温かい眼差しが感じられます。子どもたちは自ら話し合いを重ね、役割分担を行ったりするなど、地域の大人たちにも優しさや思いやりの心を示しながら成長していく様子がそこにはあります。
ナレーションと制作チーム
この行事を紹介する番組『そこにあるもの。~繋ぐ。送る。生きる。文化といのち~』では、女優の戸田菜穂さんがナレーションを務め各地域の行事や風習を通じて、先人たちから受け継がれた文化の重要性を再認識させてくれます。この番組は、BS朝日にて2024年8月4日に放送予定で、制作は株式会社ホリプロが行っています。
伝統文化の継承
地域の人々にとって、このような行事はただのイベントにとどまらず、文化や慣習を後世に伝える重要な意味を持っています。子どもたちが未来に向かってどのようにこの行事を受け継いでいくのか、またその姿勢に対する地域のサポートがあるからこそ可能になるのです。
このイベントを通じて、鳥取市の宝木地区は今も昔も変わらず、地域文化の継承と共に子どもたちの未来を応援していく場であり続けています。