エネルギー移行の重要な鍵、AIと自動化
ABB日本ベーレー株式会社は、2025年に向けたアジア太平洋地域のエネルギー移行に関する調査結果を発表しました。この調査では、12の市場でエネルギー消費が顕著な10の産業を対象に、4,085名の技術導入や持続可能性に関与するリーダーたちが回答を寄せました。特に興味深いのは、アジア太平洋地域の組織の65%が「エネルギー移行は適切な速度で進行中」と認識している点です。
調査によると、エネルギーの移行を加速させるためには、過半数以上の回答者が「強力な政府のインセンティブ」と「広範な地域間協力」が必要であると回答しています。また、「電力グリッドの信頼性向上」に向けた技術的課題に対する解決策として、AIと自動化が重要な役割を果たすという認識が広がっています。
実際、日本では62%の企業が、今後5年以内にクリーンエネルギーへの投資を20%以上増やす計画を持っています。これにより、持続可能なエネルギーへの移行がさらに進むことが期待されています。
調査対象者の49%は、環境に対応した技術や人材の不足を指摘し、リスキリングの必要性を訴えています。これは、技術の進展に伴う人材育成が不可欠であるという認識を示しています。
一方で、再生可能エネルギーの効率を高めるために、デジタル化や自動化が進められています。日本のエネルギー消費が高い産業の37%はデジタル化を重視し、34%は自動化を最優先に挙げています。AIと自動化が「脱炭素化において決定的な変革をもたらす」と評価されている点も見逃せません。
ABBアジア地域エネルギー事業プレジデントのアンダース・マルテセン氏は、「日本は技術革新とデジタル化を駆使して、エネルギーの質的向上を進めている」と述べ、日本企業がエネルギーの信頼性、安全性、持続可能性を高める先駆者であることを強調しました。
また、ABB日本ベーレーの代表取締役である三浦哲雄氏は、「61%の回答者がAIと自動化をエネルギー移行の鍵と見なしている点に非常に期待している」と語り、これが新政権の掲げるGX(グリーン・トランスフォーメーション)とDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進と一致していると述べました。
今後、日本は高品質な制御技術とABBのグローバルなノウハウを融合させ、アジア太平洋地域全体のエネルギー課題に立ち向かう意義があると確信されます。
この調査結果は、ABBのエネルギー産業部門が委託したものであり、アジア太平洋地域での企業のエネルギー転換の進捗状況を把握することを目的としています。特に、業界の気候変動対策に向けた取り組みの重要性が浮き彫りとなっています。調査資料は公式サイトからダウンロードが可能です。