ドローン技術で煙感知器の点検が変わる
能美防災株式会社が新たに開発したドローンを活用した煙感知器の加煙試験器が革新的な試験方法を提供し、業界初の消防設備の性能評定を取得しました。この技術により、従来の点検作業にまつわる多くの課題が解決されることが期待されており、2025年春から本格的にサービスが開始される予定です。
従来の点検作業の課題
煙感知器は高所に設置されていることが多いため、点検作業は非常に危険で手間がかかります。長い点検用支持棒や高所作業に伴う安全リスク、さらには施工時の障害物など、これまでの方法では作業員の安全が確保できない場合が多く、効率面でも課題が残されていました。特に高所作業用の足場を設置する必要があった点検業務は、コストと時間がかかることが大きな障壁でした。
ドローン搭載加煙試験器の登場
能美防災が開発したこの新型加煙試験器は、ドローン技術を利用し、高い安全性と効率性を実現します。この試験器は、日本消防設備安全センターから性能評定を受けたことで法定点検にも使用可能となっており、法的な根拠を持ちながらさまざまな現場での導入が見込まれています。
具体的には、従来の試験器よりも軽量化されており、様々なドローンでの利用が可能です。これにより、現場に適したドローンを選んで使うことができ、より柔軟な作業体制が整います。また、角度調整機構を備えているため、斜め天井など特異な形状の天井でも問題なく対応できる点が大きな特徴です。
さらに進化する防災技術
この画期的な技術は、煙感知器の点検・作業の効率化だけに留まらず、建物内の自動火災報知設備の機能維持にも大きく寄与します。点検作業にかかる時間を大幅に削減できることで、業務のコスト削減にも貢献し、より迅速な対応が可能となります。これによって、従来の点検方法との差別化を図り、顧客の信頼を一層強固なものへと変えていくことを目指しています。
結びに
能美防災は今後も、安全性と効率性の追求を続け、さらなる製品やサービスの開発を進めていくとしています。この新しい技術は、防災の現場にとっての大きな進化を象徴するものであり、今後の展開に期待が寄せられています。顧客との信頼関係をより強固にし、社会の安全を守る企業であり続けることを目指している能美防災。この新たな技術が、多くの現場で活かされる日が待たれます。