日本のベンチャーキャピタルエコシステムに向けた新たな推奨事項が策定へ
金融庁が開催した『ベンチャーキャピタルに関する有識者会議』(第3回)が、2023年6月26日に行われ、国内のベンチャーキャピタル(VC)における推奨される事項の策定が話し合われました。この会議には、数名の専門家や業界関係者が参加し、スタートアップ支援を目的に意見を交わしました。
会議の概要と背景
会議は、金融庁と経済産業省の共催で行われ、議題は『ベンチャーキャピタルにおいて推奨・期待される事項(案)』の策定です。資料には、資産運用立国の実現に向けた努力と、スタートアップへの成長資金供給の重要性が示されています。
特に、国内外の機関投資家からの資金をVCを通じてスタートアップに流通させる流れを促すことが焦点となります。これにより、メガスタートアップが誕生するエコシステムの構築が期待されています。
提言の具体的内容
会議の中で、事務局からの報告に基づき、多くの意見が交わされました。特に述べられたのは以下のポイントです:
- - 受託者責任とガバナンス:VCは、受託者としての責任を果たし、L社(リミテッドパートナー)との透明性を確保するべきであることが強調されました。
- - 持続可能な経営体制:VCは、持続可能な経営体制を築き、社会的責任を果たす必要があります。
- - 利益相反の管理:投資契約において利益相反を避けるための対策が求められ、事前開示が重要です。
- - ESGとダイバーシティ:近年のESG(環境・社会・ガバナンス)への関心の高まりから、VCはダイバーシティを意識した運営が期待されています。
参加者の反応
会議には多くの関係者が参加し、各自の意見が活発に交わされました。多くのメンバーが提案された内容に賛同し、改良点についても意見を述べました。特に、ESGやダイバーシティに関する部分は、より強調して対応する必要があるとの意見が目立ちました。また、推奨事項のフォローアップ方法についても重要視され、今後の研究や実態調査が期待されます。
今後の展望
今後、提案された推奨事項はパブリックコメントを経て最終化され、公表される予定です。これにより、国内のスタートアップエコシステムがさらに活性化すると期待されています。業界団体や投資家、政策立案者が一体となり、意義ある進展を遂げていくことが求められています。
このように、新たな推奨事項の策定は、日本のベンチャーキャピタルの質を高め、スタートアップの成長を支援するための重要な一歩となるでしょう。