シフォナキサンチンの安定生産に向けた新たな一歩
株式会社アルヌールは、微細藻類の室内培養装置を使用した新たな技術を開発し、シフォナキサンチンという希少な機能性カロテノイドの安定的な生産に成功しました。シフォナキサンチンは、通常、大型海藻から抽出されるものであり、その含有率は乾燥重量の約0.03%〜0.1%と非常に低いため、安定生産が課題とされていました。アルヌールは、自社がこれまで築いてきたフコキサンチン生産技術を基に、シフォナキサンチンの効率的な生産方法に取り組んできたのです。
今回の成功に導いたのは、シフォナキサンチンが豊富に含まれる微細藻類株を活用したことです。この選定により、培養技術を最大限に活かし、シフォナキサンチンの安定的な大量生産が可能になりました。これにより、機能性原料や研究用試薬としての幅広い用途が期待されています。
シフォナキサンチンの機能性
シフォナキサンチンは、海藻の一種である大型緑藻や一部の微細緑藻によって生産されるカロテノイド色素です。主に、光合成に利用され、光の吸収において重要な役割を果たしています。科学的な研究からは、以下のような機能が確認されています。
- - がん細胞を死滅させるアポトーシスを誘導する効果。
- - がんの進行に必要な血管の形成を抑制する作用。
- - 高脂肪食による肥満を軽減する可能性。
- - ヒト肝臓がん細胞における中性脂質の蓄積抑制効果。
- - 炎症の原因となるAGEsを抑える作用。
- - アレルギー反応を抑制する働きも確認されています。
これらの機能性により、シフォナキサンチンは将来的な医療や健康食品への利用が見込まれています。
アルヌールの技術提供
アルヌールは、微細藻類の可能性を最大限に引き出す技術を持っています。コンクリートな事業としては、新しい材料や飼料の開発、バイオ燃料の生産、CO2の固定や削減を通して持続可能な社会の実現を目指しています。さらに、微細藻類の培養技術や抽出精製技術を自治体や企業、大学に対して提供し、研究開発のサポートを行っています。
株式会社アルヌールの概要
- - 本社所在地: 東京都渋谷区神宮前六丁目17番11号 JPR原宿ビル
- - R&Dセンター: 東京都豊島区高田一丁目25番3号
- - 事業概要: 微細藻類に関する研究・開発、技術提供、関連商品の販売など。特にバイオメディカルやヘルスケア、環境問題へのアプローチを強化しています。
- - アルヌール公式サイト
微細藻類の研究は今後も続き、健康や環境に良い新しい製品の提供が期待されます。シフォナキサンチンの安定生産成功を皮切りに、さらなる革新が進むことでしょう。