転職サービス「doda」が発表した平均年収ランキング2025の結果とは？

転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリア株式会社が、2024年9月から2025年8月にかけての「平均年収ランキング2025」を発表しました。この調査は、dodaに登録したおよそ60万人のデータを基に、正社員として働く20歳から65歳までのビジネスパーソンの平均年収をまとめたものです。

調査の概要

この調査によると、2025年の正社員の平均年収は429万円となり、前年よりも3万円の増加となりました。この数値は、過去8年間の中で最高値を記録しています。また、2023年から3年連続での上昇を見せています。この背景には、企業の賃上げ意欲の高まりと政府の支援策が影響していると考えられています。

職種別平均年収

調査結果の中で特に注目される点は、職種別における医師の年収が1,063万円で、3年連続でトップを維持していることです。全176職種の中で、専門職の中でも特にコンサルティングや監査法人に関連する職種が多くランクインしています。このトレンドは、専門知識を有する人材の価値が高まる中で、より鮮明になっています。

次に、投資銀行業務が932万円、運用職が842万円で続き、特に昨年と比べて大きく上昇しました。これらの職種の成長は、業界全体の景気回復と需要増加が影響していると考えられます。

業種別平均年収

業種別に見ると、「投資信託／投資顧問」が814万円で最も高い年収を記録しました。次いで、たばこ産業が759万円へと続き、金融業が多くの高年収を保持している状況が確認されました。たばこ産業がわずかながらトップ4入りを果たし、景気に支えられた印象があります。

年代別平均年収の動向

年代別に見ると、20代は365万円、30代は454万円、40代は517万円、50代以上は601万円となりました。この中で特に印象的なのは、20代と30代の年収が前年と比べて上昇していることですが、50代以上はわずかに減少しています。このことは、試練の時代を乗り越えた若い世代が、より良い待遇を求める傾向が強まっていることを示しているのかもしれません。

地域別の年収動向

都道府県別では、47都道府県の中で28都府県で平均年収が上昇しました。特に、東京都が476万円で最も高い年収を記録し、関東圏がトップ4を占めています。一方で、年収が減少した県も存在し、地域間の経済差が浮き彫りになっています。特に富山県や青森県が大きく年収を伸ばしている点も注目です。

2025年以降の展望

賃上げに向けての機運が高まる中、転職市場でも活発な動きが見られることが予想されます。特に、物価の高騰を受けて待遇改善を求める声が多く、dodaの調査によれば「給与が低い・昇給が見込めない」が4年連続で転職理由の1位となっています。今後も、自己の市場価値を高めることが求められ、「キャリアオーナーシップ」が重視される場面が増えていくでしょう。