イノチオグループが南米の花き生産大国であるコロンビアに新たな拠点を設立しました。この拠点は、イノチオグループの海外子会社であるフロリテック社の一環として、主に花きの育種事業を担うことになります。
コロンビアは、北米市場への切り花輸出において、世界でオランダに次ぐ第2位の国です。赤道直下に位置し、高地であるため、気候条件に恵まれ、年間を通じて安定した花き生産ができることが大きな特徴です。また、標高2000メートル以上の地域に位置するため、寒暖差を利用した高品質な品種が育成されるのも魅力の一つです。
新たに設立された拠点は、コロンビアのアンティオキア県に位置し、ここでは主にキクの品種開発や国内向けの穂木生産、営業が行われる予定です。フロリテック社は2007年にオランダで設立された企業で、最初はキクの育種家を中心に活動していましたが、2017年からコロンビアでさまざまな活動を展開し始めました。2019年にはイノチオグループに参加し、戦略的にコロンビアを選定。現在も成長を続ける市場で、多様な品種の開発と販売を行っています。
新拠点では、特に強みを持つサンティニマムを中心に、スプレーマムおよびグループ会社のイノチオ精興園と共同開発したディスバッドマムを新たにラインナップに加えることで、より価値のある製品を花き生産者や消費者に提供していく方針です。
実際に、この新拠点のオープニングセレモニーは、8月に開催されたキクの品種展示会『Chrysanthemum Week』の期間中に行われました。この展示会は多くの関係者が集まり、コロンビアやエクアドルの生産者、そして米国における流通業者など、250名以上の来場者が訪れました。
展示会では、コロンビアと他国の花き生産における新たなトレンドやビジネスチャンスを探る場となり、イノチオグループの展開する花き事業にとって、今後の成長機会を大いに期待させる内容となりました。新拠点設立を機に、イノチオグループは国際的な競争力をさらに強化していくことでしょう。また、南米市場での存在感を高め、切り花の生産・販売においても一層の発展を目指していくことが明確になりました。
花き業界全体が変革を迎える中、イノチオグループの新たな取り組みには、今後の動向が注目です。