m-DAC®技術の都市実装が始まる
東京都が推進する「GX関連産業創出へ向けた早期社会実装化支援事業」を受け、m-DAC®技術の都市実装が本格的にスタートしました。この技術は、大気中から直接二酸化炭素(CO2)を回収・利用することを目的としています。具体的には、カーボンニュートラル達成を目指す2050年に向けて、温室効果ガスの削減につながる新たな技術の実装を支援するものです。
m-DAC®技術とは
m-DAC®」は、分離ナノ膜技術を利用し、空気中のCO2を直接回収することができる先進的な技術です。Carbon Xtractと九州大学が共同で研究開発を進めており、この技術により小型化した装置を都市部に導入できる見込みです。これにより、様々な都市環境においてCO2の回収が実現可能となります。
都市づくりのビジョン
Carbon Xtractは、2050年に向けて、地元企業である清水建設と共に東京都江東区内の「温故創新の森NOVARE」にm-DACを設置し、実証実験を行います。この実験では、回収したCO2を植物栽培に活用し、光合成を促すことを予定されています。段階的に、さまざまな事業においてCO2の利活用方法を探るとともに、新しいビジネスモデルの構築を目指します。
今後の研究では、回収したCO2をセメントやコンクリートとして固定化する方法や、炭酸水、炭酸シャワーの原料としての利用方法など、多岐にわたる利用可能性を追求していく方向性です。
持続可能な社会の実現に向けて
従来のCO2分離膜と比べ、極めて高い透過性を誇るm-DAC®技術は、都市のあらゆる場所に設置でき、様々な用途への応用が期待されています。この取り組みを通じて、関係企業は環境への影響を最小限に抑えながら、持続可能な社会の実現に寄与することを目指しています。
企業の背景
このプロジェクトには、ドイツ企業や国立大学法人九州大学などの協力があり、それぞれの専門知識を結集して、新たな技術の社会実装を進めています。双日株式会社とCarbon Xtract、および清水建設は、それぞれの強みを生かし、次世代の都市モデルの創出に向けた取り組みを加速しています。
結論
このm-DAC®技術の導入は、2050年のカーボンニュートラルを現実のものとするための重要な一歩であり、私たちの未来の都市環境において持続可能な価値の創出に寄与するでしょう。今後の実証実験から得られるデータや知見が、よりクリーンな社会の実現に向けてどのように活用されるのか、注目が集まります。