高齢社会に向けたウェルビーイングの国際標準化が始動へ

高齢社会に向けたウェルビーイングの国際標準化が始動へ



日本が提案した高齢社会におけるウェルビーイングの国際標準化に関連する技術委員会が設立されることが承認されました。この動きは、地域コミュニティや各種組織におけるウェルビーイングを推進するための重要なステップとなります。

背景



2021年7月20日、一般財団法人日本規格協会(JSA)は、ISO/TC 314(高齢社会)において「高齢化社会―地域コミュニティと組織におけるWellbeing推進のガイドライン」を開発することが国際投票で賛成多数により採択されました。この提案は、経済産業省から委託を受けた一般社団法人社会的健康戦略研究所によって作成されました。また、ISO/TC 314内に新たなワーキンググループ(WG4:ウェルビーイング)を設置し、日本がそのコンビナー及びセクレタリを担当することも合わせて承認されました。

今後、この国際規格の開発は経済産業省ヘルスケア産業課や国立研究開発法人産業技術総合研究所などの専門家たちの支援を受けながら進められます。WG4の事務局は日本に設置され、約2〜3年後に規格が発行される予定です。

これまでの検討状況



日本は、長寿国であり健康寿命が世界最高という強みを生かし、ウェルビーイングを実現するためのISO規格を開発することを目指してきました。しかし、SDGsの「誰一人取り残さない」という理念の観点から、企業組織だけでなく自治体など様々なコミュニティで役立つガイドラインとしての開発を申請しました。

国内外の取り組みの結果、カナダやオーストラリア、タイ、スイス、スウェーデンなどからも賛同を得ることができました。このように国際的な支持が集まり、信頼性のあるガイドラインが形成される基盤が整いつつあります。

ISO/TC 314/WG4の概要



WG4では、高齢社会におけるウェルビーイングに関する国際標準化について活発な議論が行われます。日本からは、産業技術総合研究所の佐藤洋氏が国際議長に、フジクラの玉山美紀子氏が国際幹事に任命され、ガイドラインの開発に尽力します。JSAや社会的健康戦略研究所も、国内の審議団体として中心的な役割を果たしていく予定です。

今後の予定



本年9月末にはWG4のプロジェクトが始動し、第一回国際会議が開催される予定です。この会議を皮切りに、さらに多くの関係規格を開発し、ウェルビーイングの国際標準化を進めていく見込みです。

この新たな国際規格の策定によって、地域社会や組織におけるウェルビーイングの重要性が認識され、より多くの人々がその恩恵を受けられるようになることが期待されています。

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