旭化成の革新技術
2025-08-27 12:05:23

旭化成、テラヘルツ分光技術でポリエチレンの分子量測定法を革新

旭化成、テラヘルツ分光技術でポリエチレンの分子量測定法を革新



旭化成株式会社は、ポリエチレンの分子量を迅速かつ非接触で測定できる新しい技術を開発し、一般社団法人電気学会の「令和7年 基礎・材料・共通部門」で論文賞を受賞しました。この技術は、ポリエチレンの研究開発や製造工程において、従来の課題を解決するものです。

背景と課題



ポリエチレンは私たちの日常生活で幅広く使用される素材で、食品包装材、医療器具、日用品などに使われています。ポリエチレンの性能は、その分子量に大きく依存しており、製造過程では正確な分子量測定が必要不可欠です。しかし、従来の測定手法は、サンプルを溶剤に溶かして数時間かけて測定する必要があり、研究開発や製造の現場には多くの負荷がかかっていました。

旭化成もまた、ポリエチレンの研究・開発の効率化を目指し、より迅速かつ簡便な分子量測定法の必要性を感じていました。この課題を解決するため、新しい手法の開発に取り組みました。

研究成果の概要



開発された新しい測定法は、テラヘルツ波を使用した非接触測定によるもので、約1分という短時間でポリエチレンの分子量を推定できます。この手法は、サンプルに溶剤を使う必要がなく、環境にも優しい技術です。
テラヘルツ波をポリエチレンに照射し、反射や透過の度合いを測定することで、分子量に応じた吸収スペクトルの違いを捉えることができます。得られたデータは数理的に処理され、これによりわずかな時間での分子量推定が実現しました。

この新技術は、測定のスピードと簡便さを向上させ、研究開発の迅速化や製造現場での品質管理の効率化につながると期待されています。電気学会からも、この研究成果が電気学術の進歩に寄与すると評価されました。

今後の展望



旭化成はこの技術の実用化をさらに推進し、ポリエチレンをはじめとする多様な樹脂および樹脂製品の開発における効率化を図る予定です。特に、生産現場での品質管理技術の高度化を通じて、より高機能で高品質な製品を提供し、社会貢献を目指していきます。

電気学会論文賞について



電気学会は、電気・電子などの技術分野で100年以上の歴史を有する学術法人です。論文賞は、その学会に投稿された中で特に優れた学術的・技術的価値を持つ研究に贈られる名誉ある賞です。

受賞講演について



受賞にともなう講演が予定されています。開催は2025年9月4日(木)で、場所は芝浦工業大学豊洲キャンパスです。この講演では、旭化成の生産技術本部の担当者が研究成果について詳しく説明します。詳細については公式サイトを参照してください。

この新しい測定手法は、他の樹脂を含むさまざまな分野に応用が期待され、今後の科学技術の進歩に大きな影響を与えることでしょう。


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会社情報

会社名
旭化成株式会社
住所
東京都千代田区有楽町1-1-2日比谷三井タワー
電話番号
03-6699-3000

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