次世代太陽電池を用いた放射線センサーの登場
2025年9月、神奈川県相模原市に本社を置く株式会社PXPが、太陽電池を利用した量産型低コスト放射線センサーの開発について発表します。本発表は名城大学天白キャンパスで開催される第86回応用物理学会秋季学術講演会にて行われ、9月10日13:30からのセッションでは、具体的な研究内容と一連の成果が紹介される予定です。
放射線センサーと言えば通常、高精度な検出機能を持つ高価な機器が求められますが、今回のセンサーは太陽電池技術を応用することで、低コストでありながらも高い性能を持つことが特徴です。研究陣によると、特にペロブスカイト型やCIGS型の太陽電池は、その高い放射線耐性により、過酷な環境下でも動作することが確認されています。これにより、長期間の現場での使用が可能になり、さまざまな産業において利用の範囲が広がります。
これらのセンサーは外部電源を必要としないため、医療、原子力、防災、さらには宇宙開発といった多岐にわたる分野での応用が期待されています。例えば、放射線を扱う医療機関では、患者や従業員の安全を確保するために、運用コストが低いこのセンサーが非常に役立つでしょう。また、原子力発電所での放射線モニタリングや防災活動などでも、その特性が高く評価されることでしょう。
特に注目すべきは、「薄い、軽い、曲げられる」という次世代型太陽電池の特性です。このような特長は、センサーの設置に関する幅広い選択肢を提供し、例えば不整形な場所や厳しい環境下でも簡単に設置できるメリットがあります。
株式会社PXPの代表取締役社長、栗谷川悟氏は、「私たちの目標は、この太陽電池型放射線センサーを利用して、より安全で便利な社会を実現することです。将来的には、医療や防災といった重要分野でも広く活用されることを期待しています」とコメントしています。
この新しいセンサー技術は、放射線の検出分野における革命的な一歩となる可能性を秘めています。今後の研究開発が楽しみであり、是非注目していきたいと思います。