小児科と地域連携の新たなアプローチ、子ども支援助成事業発足
埼玉県川越市に所在する公益財団法人川野小児医学奨学財団が、2025年6月より「医師・地域連携 子ども支援助成」という新たな助成事業を開始することを発表しました。このプログラムは、小児科医を中心に、多職種が連携して「子どもの声」を重視し、地域の子どもたちの健康や福祉の向上を目指すものです。
助成事業の目的と概要
この助成事業では、小児科医が子どもたちの抱える問題に耳を傾け、地域と協力してそれを解決するための活動に対して、1件あたり最大70万円の助成が行われます。資金面のサポートだけでなく、各団体が設定した目標の達成を助けるため、継続的な伴走支援も約束されています。
重要な支援活動
子どもを取り巻く問題は年々複雑化しており、職種や立場を超えた連携が求められています。小児科医は、医療現場で子どもたちの声を直接聴く立場にあり、その声を社会全体に届ける「アドボカシー」の役割を果たすことが求められています。
これに対し、日本の小児科医によるアドボカシー活動はまだ認知度が低く、適切な支援も不足しています。この新事業は、こうした状況を打開し、地域全体で子どもたちを支えるための第一歩となることを目指しています。
サポート対象の団体
第1回の採択団体として5つの事例が選ばれました。各団体の具体的な活動内容をみていきましょう。
1.
まどかファミリークリニック(助成額: 348,301円)
- 在宅医療的ケアが必要な子どもたちの「声」を集め、支援体制の強化を目指す「VOICE」プロジェクトを推進する。
2.
豊川市HPVワクチン接種検討委員会(助成額: 630,880円)
- 中学生を対象にHPVワクチンの重要性を伝える講座を開催し、正しい知識の普及を図る。
3.
大阪市立総合医療センター(助成額: 700,000円)
- てんかんを抱える子どもや家族の声を地域に届ける活動として、「パープルバス」を使った啓発活動を実施。
4.
熊本大学大学院生命科学研究部(助成額: 700,000円)
- 食物アレルギーを持つ子どもたちの声を基に、医療・教育の連携を強化する支援体制を構築。
5.
愛知県医療療育総合センター中央病院(助成額: 620,000円)
- 先天性遺伝性疾患の子どもたちに対する移行期支援の実態調査と必要な医療体制の構築に取り組む。
選考のプロセス
初回の募集には全国から26件の申請があり、厳正な書類選考と専門家により選考委員会が開催されました。選考基準としては、「子どもの声の適切な反映」や「地域連携の度合い」、「助成の必要性」などがありました。厳しい競争の中で選ばれた5団体の活動は、地域における重要な支援として高く評価されました。
申請者の声
申請した団体からは、地域と連携し、より良い支援を行うための助成金の存在が大きな励みになったとの意見が寄せられています。特に「子どもの声」を大切にし、それを基にしたアクションが必要であるという意識が共有されています。
まとめ
川野小児医学奨学財団の「医師・地域連携 子ども支援助成」は、医療・福祉の垣根を越え、地域全体での子ども支援の重要性を再認識させる取り組みです。今後の活動がどのような変化をもたらすのか、期待が寄せられています。地域の子どもたちが元気に育つために、私たちもこの動きに耳を傾け、支援していきたいと思います。