日本銀行が発表した第99回生活意識調査の結果から見える国民の経済感覚

第99回生活意識調査の結果



2024年10月10日、日本銀行は「生活意識に関するアンケート調査」(第99回)の結果を発表しました。調査は2024年の8月8日から9月3日まで行われ、日本全国の20歳以上の個人を対象に、4,000人を抽出し有効回答者は2,159人、回答率は54.0%でした。この調査の結果から、国民が生活や経済に対してどのように感じているのか、興味深いデータが得られました。

景況感について



調査結果によれば、現在の景況感について、「良くなった」と感じている人は6.9%で、前年からの比較で減少しています。これに対して、「悪くなった」との回答は55.1%を占め、依然として厳しい経済状況が影響していることが伺えます。また、今後の経済についての予測では「良くなる」との期待感は6.6%、逆に「悪くなる」との恐れが36.2%に達しました。これは、国民の間で経済に対する不安が根強いことを示しています。

生活のゆとりについて



生活のゆとりについては、56.2%が「ゆとりがなくなってきた」と感じており、この割合は前年よりもわずかに改善されましたが、依然として多くの人が厳しい生活環境に直面しています。「ゆとりが出てきた」との回答は5.3%で、これもまた少数派です。このデータは、国民の生活苦が続いている現状を反映していると言えるでしょう。

物価に関する実感



物価の上昇に関しては、「かなり上がった」との回答が63.8%、「少し上がった」が30.9%で、多くの人が物価の変動を痛感しています。さらに1年後の物価に関する見通しでも、「かなり上がる」が25.5%、「少し上がる」が60.1%と、物価上昇への懸念が高まっています。

日本銀行への信頼度



日本銀行に対する信頼度については、「信頼している」との回答が16.0%、また「どちらかと言えば信頼している」のは32.7%に達しました。一方で、信頼しないという回答も増えていることから、日本銀行の方針や施策についての様々な見方が存在することが伺えます。

認知度について



最後に、日本銀行が掲げる「物価の安定」の目標についての認知度は28.3%と、前年に比べて若干の減少を見せています。また、2%の「物価安定目標」に関する具体的な知識を持っている人は22.5%で、国民にとってこの情報の周知が課題であることも明らかになりました。

まとめ



第99回目となる生活意識調査の結果は、国民が直面する経済状況や物価上昇に対する懸念が続いていることを明確に示しています。今後、日本銀行がどのようにその信頼回復に取り組んでいくのか、また経済の影響を受ける国民生活をどう改善するか注目していきたいと思います。

トピックス(経済)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。