つくば市が現場DXサービス「KANNA」の実証実験を開始
茨城県つくば市(市長:五十嵐立青)は、建設業や製造業を手掛ける株式会社アルダグラムが提供する現場DXサービス「KANNA」を導入した実証実験を2023年9月2日より実施しています。この取り組みは、公共施設整備に関わる職員および現場関係者の業務効率を向上させることを目的としています。
背景と課題
つくば市は、人口動態調査で全国1位の人口増加率2.3%を誇る地域です。この急速な成長に伴い、新たに小学校や中学校が開校されましたが、市役所は急激に増加する住民のニーズに応えるための職員が不足しているという問題に直面しています。このため、市役所内ではDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、業務の効率化を模索しています。
特に、公共施設整備課では年間に約80件の設計業務と100件の工事を担当しており、12名の職員によってその業務が回されています。業務は属人化し、各自の負荷が高まりつつある中、新たな効率化策が強く求められています。
実証実験の目的と内容
今回の実証実験では、公共施設整備課の職員および関係者に「KANNA」を導入し、スムーズな業務フローの確立を目指します。「KANNA」の機能を活用することで、工事におけるタスク管理と進捗状況の可視化が実現され、業務のマニュアル化が進むことで、すべての職員が簡単に業務を引き継げる体制が整うことが期待されています。
また、従来20名近くの関係者が集まって行っていた定例会議の数が減少する見込みです。これにより、移動時間や準備時間が削減され、職員は住民サービスなどの本来の業務に集中できるようになります。
期待される効果
行政特有の人事異動の頻度が高い中、業務フローを見える化することでスムーズな引継ぎが可能となります。これにより職員の専門知識や経験が組織全体に蓄積され、今後の業務改善に活用されることが期待されます。「KANNA」を活用することで、業務フローが整備されるだけでなく、効率化と標準化が同時に達成されるのです。
つくばイノベーションスイッチ
この実証実験は、「つくばイノベーションスイッチ」として位置付けられています。この事業は、民間で進んでいるICT技術を公共サービスに導入し、業務効率化につなげるための共同研究を行うものです。つくば市は、このビジョンのもと、行政のフィールドで新たな技術を試し、その成果を地域内外に広める意義深い取り組みを行っています。
まとめ
つくば市と株式会社アルダグラムの共同実施による現場DXサービス「KANNA」の導入は、業務効率化の新たなスタンダードとなるでしょう。これにより、つくば市が先進的な行政運営を実現し、地域社会にさらなる利便性をもたらすことが期待されています。アプリ評価の高い「KANNA」は、今後も全国各地の行政や現場業務の効率化を支え続けることでしょう。