音声を可視化する社会実験が原宿で開催！「世界に字幕を添える展」

新たな体験を提供する「世界に字幕を添える展」が原宿でスタート

2025年5月12日より、東京・原宿の東急プラザ「ハラカド」で社会実験プロジェクト「世界に字幕を添える展」が開催されています。これは、聴覚障がい者や訪日外国人観光客を対象に、意思疎通を助ける新たな試みであり、主催は株式会社アイシン、協力は東急不動産SCマネジメントです。

このイベントは、日頃の生活に潜むコミュニケーションの壁を可視化し、解消することを目的としています。特に聴覚に関連するコミュニケーション問題に焦点を当て、アプリ「YYSystem」を活用した多様な体験を提供します。来場者は、各店舗で用意された音声認識機能や字幕表示を通じて、言語の壁を超える体験をすることができるのです。

体験型展示で見える声

「YYSystem」は、声や音をリアルタイムで可視化するアプリシリーズで、その特徴を活かした体験がこの展覧会には盛り込まれています。例えば、館内の飲食店や美容室など、21の店舗にアプリが導入され、音声認識による字幕表示やコミュニケーション支援が行われます。これにより、耳が不自由な方や異なる言語を話す方も、快適にサービスを享受できる環境が整えられています。

来場者の中には、「日常生活における音声の重要性を再認識しました。このアプリがあれば、もっと多くの人が積極的に出かけたくなる」と好意的な意見が寄せられており、実際に体験を通じて得た新しい視点に驚く人々も多いようです。

初日を飾ったオープニングイベント

開催初日には、特別ゲストとして聴覚障がい者の俳優・忍足亜希子氏とデフリンピック2025日本代表の亀澤理穂氏が参加。彼らは、自身の経験を元に耳が聞こえない人々がどのような課題を抱えているのかを熱く語りました。特に忍足氏は、緊急時に必要な情報が得られないことから生まれる不安について触れ、「視覚的な情報提供が必要である」と訴えました。

イベントでは、「聴覚に対する理解を深める大切さ」を伝え、ハラカドが社会の標準を変えていく先駆けとなることを期待されています。来場者からは、声の見える社会に向けた課題やその解決策を考えるきっかけとなったという感想が多く寄せられました。

参加者の体験と今後の展開

「世界に字幕を添える展」は、5月18日まで開催され、期間中には様々なプログラムが用意されています。特に最終日には、「字幕付き会議イベント」が予定されており、来場者の意見をもとにコミュニケーションの課題に討論する予定です。この取り組みを通じて、イベントの目的である「誰も取り残さない社会」の実現に向けた意識が高まることを期待しています。

「YYSystem」が示す未来のコミュニケーションの形は、聴覚障がい者を含むあらゆる人々が安心して会話できる環境を提供するものであり、ハラカドの目指す「創造施設」としての役割を果たすことに寄与するでしょう。この取り組みが広がることで、より多くの方々がコミュニケーションを楽しむことができる社会が訪れることを願っています。