賃貸住宅市場レポート 2015年4月版の発表
株式会社タスは、2015年4月の賃貸住宅市場レポートを発表しました。このレポートには首都圏版と関西圏・中京圏・福岡県版が含まれ、各地域の不動産市況に関する細かなデータと分析が提供されています。
1. 首都圏版の概要
首都圏版では、「不動産市況は売高賃低」というテーマに基づき、市場の現状を示すユーザーアンケートの結果が紹介されています。調査によれば、売買市場の不動産市況DIは53.5で、「良い」と回答したユーザーが多く、売買市場は活況を呈しています。
しかし、賃貸市場は46.2と「悪い」と回答するユーザーも多く、賃貸市場の低迷が指摘されています。特にアベノミクスの影響が売買市場に偏っているとのことです。また、売却依頼物件数は前年並みなのに対し、購入者の動きは鈍化しており、このことが成約までの期間を長引かせ、価格の開きを生じさせています。
2015年2月期の賃貸住宅指標
首都圏においては、4月に向けて大学の入学や新入社員の向けた移動が増加し、空室率TVIは改善しています。特に東京市部と千葉県の改善が顕著ですが、賃貸物件のタイプによって異なる傾向も見られます。
- - 東京都全域: 空室率TVI 12.40、募集期間 2.92ヶ月
- - 神奈川県: 空室率TVI 13.10、募集期間 3.41ヶ月
- - 埼玉県: 空室率TVI 16.15、募集期間 3.36ヶ月
都市部で空室率が低下しているのに対し、神奈川県と東京23区では依然として賃貸の厳しい状況が続いています。こうした情報は、アットホーム株式会社からのデータに基づき分析されています。
2. 関西圏・中京圏・福岡県版の概要
次に、関西圏・中京圏・福岡県版においては、「売買・賃貸共に依頼物件が増加」とのタイトルで情報が展開されています。調査結果として、売買市場と賃貸市場のDIは共に46.8であり、ユーザーの多くが「やや悪い」と感じていることが明らかになりました。
関西圏では依頼物件数は増加傾向にあるものの、賃借来客数が大幅に減少し、成約までの期間が長期化していることから、賃貸市場の閉塞感が漂っています。これにより、成約賃料も前年より厳しい状況であると示されています。特に、アットホームを介さない取引の多い地域では、市況に二極化が見られるとのことです。
- - 大阪府: 空室率TVI 7.72、募集期間 4.82ヶ月
- - 京都府: 空室率TVI 14.03、募集期間 5.68ヶ月
- - 愛知県: 空室率TVI 15.02、募集期間 5.65ヶ月
おわりに
株式会社タスが提供している賃貸住宅市場レポートは、地域別に詳細なデータを提供しており、今後の不動産市場の動向を読み解く上で重要な資源です。今後もこのような情報に注目し、不動産市場の変動を把握していきたいものです。
詳細については、各レポートのPDFを参照することをお勧めします。更なるデータやバックナンバーは、株式会社タスの公式サイトから入手可能です。