乳がんリスク検査の効果
2025-08-27 15:33:06

広島県呉市での乳がんリスク検査導入に関する報告

乳がんリスク検査の取り組みとその効果



2025年8月22日から23日、倉敷アイビースクエアで行われた「第26回乳癌最新情報カンファランス」で、広島県呉市との連携による乳がんリスク検査実証事業の結果が発表されました。このプロジェクトは、乳がん検診を受けていない人々に向けた新たなアプローチを提供し、早期発見の重要性を広めるなどの目的があります。

背景と問題点


乳がんの早期発見は、患者の生存率に大きく影響します。特に、進行の早いステージIでは10年生存率が89.10%に対し、ステージIVでは25.49%と大きな差があります。しかし、全国の乳がん検診受診率は2021年度で15.4%と低く、広島県ではさらに低い12.1%。特に呉市は11.3%と、他の地域に比べても非常に少なく、早期発見が難しいのが実情です。この背景の中、当社は乳がん検診未受診者に対し、唾液を用いた乳がんリスク検査「スキャンテスト乳がん」を導入しました。

実証事業の目的


この実証事業は、乳がん検診を受けていない呉市の住民に対して、リスク検査を利用して検診への誘導を図ることを目的としています。具体的には、以下の内容が考慮されています。
  • - 対策型検診及び超音波乳がん検診の受診率向上
  • - 唾液を用いた検査の利便性
t- 受検後のフォローを通じた任意型健康診断への誘導

ミルテルのリスク検査


当社が開発した「スキャンテスト乳がん」は、唾液中のポリアミンをターゲットとした検査で、乳がんリスクを評価します。この検査は、痛みや恥ずかしさを感じにくく、手軽に受けられるものであり、特に40歳以下の女性にとっては有効な選択肢になると考えています。

実施方法


本事業では、1,000人の受検を目標に、2,000名に対して勧奨を行いました。受検方法には、LINEや郵送を通じた申し込みを用意し、前年の呉市の母子手帳配布なども活用しました。実施期間は2024年10月から12月を予定し、検査は無償で行うことが決定されました。

アンケート結果による検証


事業開始からほぼ1ヶ月で、対象者数を超える1,290名 が申込を行い、最終的には1,070名が受検に至りました。アンケート結果では、約63%の受検者がこれまで乳がん検診を受けたことがない方々で、リーチの成功が確認されました。また、フォローアップの重要性も認識され、特に多様な申込方法が受検率向上に寄与したことが明らかになりました。

行動変容を促す要因


受検者からのフィードバックによると、手軽に申し込めるシステムや痛みを伴わないという点が大きな要因となり、受検を決意したと回答した方が多数を占めました。この結果は、対策型検診の重要性を浮き彫りにし、一般の認識を高める手助けともなるでしょう。

今後の展望


今回の実証事業は、乳がんに対する意識を高め、検診受診率を向上させる一助となることが期待されます。また、課題として今後は、検査費用の負担をいかに軽減するか、乳がんに関する教育や啓発活動の強化が必要であると考えられます。これにより、さらなる健康や病気の不安を減少させる社会の実現を目指すことが出来ます。

会社概要


株式会社ミルテルは、2012年に設立された広島大学発のスタートアップ企業です。未来の医療に貢献するために、最新の技術を駆使して新たな健康観を提供し、人々の生活を向上させることを目指しています。より良い社会の実現をサポートするため、今後も邁進していく所存です。


画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6

画像7

画像8

画像9

画像10

画像11

会社情報

会社名
株式会社ミルテル
住所
広島県広島市南区出汐1-2-10
電話番号

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。