新商品「舫う」の背景
和菓子の世界には、ただの食べ物以上のものがあります。それは歴史や文化、そして人々の思いやりが込められた大切な象徴です。石川県輪島市に本社を置く和菓子店『株式会社柚餅子総本家中浦屋』は、そんな思いを込めた新商品「舫う」を2025年10月3日に発売しました。この商品の誕生には、東日本大震災および能登半島地震という二つの大きな出来事が背景にあります。
2011年に発生した東日本大震災では、陸前高田の老舗菓子店「木村屋」が甚大な被害を受けました。その際、能登輪島の中浦屋が彼らを支援しました。そして2024年、今度は中浦屋自身が能登半島地震によって苦境に立たされましたが、その時は木村屋が手を差し伸べ、再び支え合うという形で二つの店の絆が深まりました。この互いに助け合った歴史が「舫う」を製作するきっかけとなったのです。
新たな焼き菓子「舫う」
「舫う」は、ミルク餡をシナモンの香り漂う生地で包み、丁寧に焼き上げた焼き菓子です。このお菓子は、かつて中浦屋が「高洲山」という名前で販売していた道のりの中で、時代に寄り添った新しい形にリメイクされています。
「舫う」という名前には、船と船を綱でつなぎ、共に支え合う様子が表現されています。これはまさしく、地域を越えたいざという時に助け合う被災地の姿を象徴しています。支え合った二つの有名な菓子製造業者の絆を感じられる商品名としても意味深いものされています。
商品概要と価格
新商品「舫う」の詳細な情報は以下の通りです。
- - 商品名:舫う
- - 価格:1個237円(税込)、6個入1,749円(税込)、8個入2,224円(税込)
- - 賞味期限:常温90日間
- - オンラインショップ:中浦屋オンラインショップ
製造責任と企業情報
「舫う」を製造するのは、御菓子司木村屋です。製造責任者は木村昌之氏で、岩手県陸前高田市に位置しています。企業の詳細情報は以下の通りです。
- - 商号:株式会社柚餅子総本家中浦屋
- - 代表者:中浦 政克
- - 所在地:石川県輪島市河井町4部97番地
- - 設立:1910年9月(創業108年)、1988年10月(設立30年)
- - 事業内容:菓子製造販売
- - 資本金:1,000万円
- - URL:中浦屋
絆の味を楽しむ
和菓子文化が持つ「絆」の精神を感じる新商品「舫う」を、ぜひお試し下さい。地域の歴史やお互いの思いを噛みしめながら、一口一口楽しんでみてください。これが食を通じて支え合う温かさを感じさせてくれることでしょう。