MSDアイルランドがダンドークのWuXi Vaccinesを買収
ヘルスケア企業MSDアイルランド(本社:ケニルワース、ニュージャージー州)は、アイルランドのラウス県ダンドークにあるWuXi Vaccinesの製造施設を買収することを発表しました。この買収には5億ユーロ以上が投資され、両社の長期的な協力関係をさらに強化するものと位置づけられています。
このダンドーク拠点は、3階建ての大規模な施設で、延床面積は15,520平方メートルに及びます。原薬製造、製剤製造、品質管理ラボが整っており、国際市場向けにワクチンを製造しています。現在、約200名の専門スタッフがここで勤務しており、彼らの技術力が今後の事業展開に貢献するでしょう。
MSDアイルランドは、このダンドークを含むカーロウ、コーク、ダブリン、ラウス、ミース、ティペラリーの6県に新たに計8拠点を持つ計画を掲げており、最終的には約1,000人の新規雇用を創出する意向を示しています。特にダンドークでの新規雇用は150名を見込んでおり、この動きは地域経済に大きな刺激を与えることでしょう。
アイルランド政府のSimon Harris首相は、「MSDのこの発表はダンドークとラウス県の人々への信頼の表れであり、MSDは長年にわたりアイルランドのヘルスケア分野の担い手として貢献してきた。」とコメント。さらに、アイルランド産業開発庁(IDA)のPeter Burke大臣は、この投資によってアイルランドのライフサイエンスの強さが再確認されるとし、今後もIDAとして世界的な企業の誘致に努めていくと述べています。
この買収は、MSDとWuXi Vaccinesのパートナーシップの象徴であり、2019年から続く両社の協力関係が深まることになります。MSDアイルランドの製造部門プレジデントであるSanat Chattopadhyay氏は、「この買収は我々の革新の目標を達成するための理想的なチャンスであり、未来の健康課題に迅速に対応していく。」と述べています。
さらに、MSDアイルランド・ヒューマンヘルスのマネージング・ディレクターであるSamantha Humphreys氏も、3,000名以上の従業員の情熱と才能について感謝の意を表し、新たな仲間と共に未来の医療課題に取り組む意欲を示しています。MSDアイルランドは1976年の設立以来、アイルランドのヘルスケア企業として急成長を遂げ、現在では7つの拠点で多岐にわたる事業を展開しています。
ダンドーク拠点は、MSDの製薬製造および研究開発のネットワークの中で重要な役割を果たすことが期待されています。政府関係者は、MSDの今回の買収がアイルランド全体に与える波及効果について自信を持っており、今後も競争力のある環境を整える意向を示しています。
このように、MSDアイルランドによるダンドークの拠点の買収は、アイルランドにおけるヘルスケア産業の発展を更に加速させる出来事となりそうです。